原作に新エピソード追加した感じでした、良作です。 途中、話数調整なのか中弛みしますがうまく纏まってました。
タイトル通り、画力も構成力もまだまだな感じは否めません。 しかし、この作品の魅力は自分はそこではないと思っています。 テーマ、そしてそれを描きたいが為にきっちりと張っていく伏線。 平和は戦争が終わればただで手に入るものではない。むしろそこからが本番であろう、というこのテーマは戦争モノの中では異色と言えましょう。そして戦争が終わって、成長の欠片もない世界も同時に描く。 鉄砲バカスカやってる漫画のほうが受けはいいし簡単でしょう。テーマは重い、そして描くのが難しい。でもそこに挑戦し続けているその姿勢は評価していいと思っています。 舞踏会編がちょっと長すぎるしグダグダなんですが、まあアリス少尉萌えとか言ってる人のためと割り切ろう。一応ヒロインだし。 ちょっと珍しい戦争モノに興味がありましたら、是非。
現在連載されている漫画の中でも、最高峰の作品の一つでしょう。
昨今の流行りの漫画は、なんというか即物的な面白さを提供する志向が強いように思われます(突飛な設定、世界観の中になにも知らない主人公たちを放り込んでいきなりデスゲームスタートみたいな)。
もちろんそういった志向を否定するつもりは毛頭ありません。漫画は結局エンターテインメントであり、人を楽しませるものでなければならないのですから。
でも、そんな時流の中だからこそ、「是非このメッセージを受け取ってほしい!!」と確たる信念を持つこの作品は、私の目にはとても眩く映るのです。
丁寧にプロットを練って、安易にキャラを殺さず、そして論旨は決してブラさない。
この作品は今の時代の流れと逆行した、「丁寧に物語を構築しつつ、面白さを醸し出す作品」です。
しかし、だからこそこの作品は、先に書いた「即物的」な作品には無い、とんでもない爆発力があるのです。
ビロゥズやジャックの確執、ケルビムの狡猾さ、ステッキンの熱意、ロンダリオの剛胆さや、アベルの策士っぷり、スナブノーズの不意討ち過ぎるボケ(アレは卑怯すぎます。死ぬほど笑いました)など、丁寧にキャラクターや物語の土台を構築してきたからこそ出せる「味」でしょう。しかしやはり自分が今巻で一番胸に迫ったのは、今までサブキャラとしてしか見てなかったロゼッタ(毎回伍長の検尿云々でネタになってたあの看護婦)の啖呵です。
「他人が…ひとの人生採点するなってのよ……」
彼女の言葉を起点にして、展開が一気に「爆発」したように思えます。
世の中にはびこる欺瞞と不信に、頑強で強大な鋏、「パンプキン・シザーズ」を穿ち、一筋の光明を差すような、是非もっと多くの人に読んでもらいたい素晴らしい作品です。
原作はもちろん、このアニメも文句なしの名作だと思います。「戦時中」ではなく、戦後の「戦災」に焦点を当てた作者の着眼点にまず拍手。苦しむ民を自分の信念にまっすぐ従って救っていく主人公たちの姿にまた拍手。シリアスな話の中にちょっとギャグを織り込む抜け目無さにまたまた拍手。原作もアニメも何度でも見れます。特に素晴らしいのは、毎回毎回「名言」飛び出すこと。これはこのシリーズファンには周知の事実ですが、本当に良い台詞が毎回出てくるので、見ていてドキッとしたり、胸を打たれること間違いありません。もちろん今作品に収録されている話にも各話名言が入っています。是非原作も今作品も購入し、この感動を一緒に味わって欲しいと思います。
「不可視の9番」「901ATT」「カウプラン機関」「ランタン」… 今まで断片的に語られてきた情報が有機的に結びつき、謎が解き明かされる巻です。
前半の見所は、ミュゼが語る「カウプランの狂気」。 ・『「不可視の9番」は本当に戦争に勝つために作られた部隊なのか?』 ・『カウプランはただの人間だった』 ・『今は私がカウプランよ』 これまでの疑問や意味深なセリフに対する答えが語られます。 …ミュゼの教授に対する屈折した想いがおっかないと同時に切なくもあります。
後半は、パンプキンシザースを基点に反撃の狼煙が上がるところまで描かれています。 見所は、 ・亡国の再興に取り付かれた侍女へレン ・ステッキンに嫉妬するカワユイ情報部長副官 ・「戦車の父」を演じ続けなければならなかったコルトゥ博士 ・「医療のカウプラン」ミュゼ ・「白薔薇」を装備したアリス といったところでしょうか。 副官が男の子なのか女の子なのかでニヤニヤ度が変わるかも知れません(笑)
今巻は説明回が長かったので、物語的にはあまり動きがありませんでしたが、 次巻からは主人公サイドの反撃が始まりそうなので今から楽しみです。
願わくば刊行ペースがもう少し早いと嬉しいのですが…
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