ここまで笑える本とは知らず、久しぶりに上京する電車の中で読んでしまったんです、私。新解さんの用例がおかしくておかしくて、込みあげてくる笑いをすべて喉の奥へ奥へとおし戻しながら読んでいたら、突然肩が激しく上下し出して涙がポロポロこぼれてきたのです。まずい、ヘンな人になっている!慌てて本を閉じ、寝たふりをしたのですが、当然のことながら頭の中は新解さんだらけ、結局東京に着くまで、寝ながら思い出し笑いに耽る物凄く気持ち悪い人になってしまったのです!感情というものは出口を塞ぐと、別の出口から噴出するものなのだと身をもって知りました。しかし、新解さんは謎だ!早くツッコメヨ〜!と言わんばかりの用例の数々!赤瀬川さんには、路上観察以来の共鳴共振反応です!
ちょっと期待しすぎで聴いたので、一回目は「なぁ〜んだ、ソレ程でもないや」という感じでした。 しかし繰り返し聴くと、何とも言えず可笑しくて、昔の深夜ラジオの持つ「音で想像させてくれる楽しさ」 みたいな魅力を味わえます。 もともとタモリさんの芸風が好きなんですが、赤塚さんの可愛らしいキャラクターも見逃せません。
今風の笑いとは違い、大爆笑を期待するとかなり肩すかしをくらいますが、 ドサッとしながらインテリジェンスが漂う、「おやじギャグ」とは一線を画す笑いが味わえます。 「声」の持つ魅力も感じました。
堅苦しくなり勝ちな利休について、赤瀬川原平さんの軽妙な語り口で、身近な出来事や世界を例に挙げて分かりやすく書いています。秀吉の逆鱗にふれ切腹するまでを彼独自の解釈に導かれ読み進んでゆくうちに、昔赤瀬川さんが前衛芸術家であったこと、前衛とは、そして何故「千利休無言の前衛」というタイトルにいたったのかが良く分かります。最終部分の理論の展開には鳥肌が立ちました。すばらしい作品です。洞察力と視点に天才を感じます。
数年前には「老人力」という本が大ベストセラーになった赤瀬川原平だが、その原点はこの「トマソン」を中心とした路上観察の世界だ。
かつてせっかく日本に呼ばれてきたものの、実力を十分に発揮出来なかった巨人の「トマソン」選手の名から命名したのは言い得て妙といったところか…。しかし、この彼(赤瀬川原平)の独特の世界というのは何と言ってよいのか、一度味わったらやめられないものがある。かく言う愚生も彼の世界観にハマッてからは、名古屋にまで「赤瀬川原平展」を見に行ってしまった。
多分同じような知的好奇心をお持ちの方はこのようにハマッてしまうだろう。
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