視界爽快、曇らないため、つけていないと勘違いするほど着けやすいゴーグル
乱歩の代表作に天才丸尾がヴィジュアル化させた傑作。大型デスプレイにも耐えうる最高水準の世界。
大正から昭和初頭にかけての浪漫風景。パノラマの景色が誘う不思議な懐かしさ。そして、作家のユートピア願望が自由奔放、縦横無尽に展開される解放感。こうした妙味が混然一体となった怪奇・幻想小説の逸品に、丸尾末広が絵を付けたもの。絢爛たるイラストをちりばめてゆく漫画の趣が、原作の雰囲気とよく溶け合っていて、魅せられましたねぇ。
とりわけ、本書の中盤から後半にかけて。桃源郷への男の夢と憧れが、パノラマ島の人工楽園の色々な風物として結実していく、その辺りの絵的な表現が見事! ガラスのトンネルから眺める海底風景の幻想。中国の仙境の世界にも通じる大渓谷、大階段、大庭園の魔法。まさに、<我々の日常から乖離した別世界が 目も遥かにうち続く>光景の壮大さ、不可思議さ、懐かしさに、わくわくさせられました。
夜空を美しく彩るフィナーレまで、本書の冒頭に掲げられた乱歩の、<現世(うつしよ)は夢 夜の夢こそ真実(まこと)>の言葉が妖しく、豊かに息づいている一冊。
このアルバムは、次作『月光蟲』との二部作の一作目にあたり、名曲(迷曲?)元祖高木ブー伝説や詩人オウムの世界などを収録している。 89年製作と思えない音のよさ、個々の楽曲の素晴らしさ、アルバムのバランス、世界観の構成、ジャケットのテザインなど、さすが筋少と思わせる一枚です。 月光蟲、レティクル座妄想など日本ロック史に残る超名盤と比較すると若干聞き劣るかなぁ…と思われるかもしれませんが、それは前述の二作が『異常』に良い出来だからで、決して本作が悪いわけではありません!むしろ良すぎるくらいです!
というわけで是非ご購入を!
1990年2月5日発売のメジャー4thアルバムも再発されることになった。ラインナップは前作から固まったVo.大槻ケンヂ、B.内田雄一郎、G.橘高文彦、G.本城聡章、Dr.太田明。収録曲は下記の通り: 1.サーカスの来た日(Inst.) 2.ビッキー・ホリディの唄 3.詩人オウムの世界 4.労働者M 5.アメリカン・ショートヘアーの少年 6.23の瞳 7.電波Boogie 8.パノラマ島へ帰る 9.航海の日(Inst.) 10.また会えたらいいね 11.お別れの日(Inst.) 12.元祖高木ブー伝説 メンバーチェンジ後の過渡期における前作『猫テ』を経て、本作では完全にハード・ロックと言えるサウンドに変化したが、オーケンの存在の影響か非常にキャッチーで聴きやすいアルバムとなっており、オーケンのVo.も力強い。トータル・アルバムとしての完成度も高いのであるが、 ・フルアルバムの割にはインストが3曲と多い。 ・4.は空手バカボンのリメイク、6.及び12.は自主時代の楽曲の再録音とあって新曲が少ない(当時ケラも「曲作れよ!」と語っていた)。 ・12.はボーナス的に収録されていて、トータル・アルバムとしての価値を落とすとの批判が多い。 等の欠点もある。結果的に本作をもって、「80年代の筋少」は完全に終わることになった。次作からは所謂「90年代の筋少」独自のサウンドへと変化して行くことになる。また詞もより直接的に「人生とは何か!?」をテーマとした楽曲が増えて行くことになる。 ちなみに10.はオーケンのソロアルバム『I STAND HERE FOR YOU』で再録音された。
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