本書は、「学びの共同体」モデルを提唱し、多くの学校改革をこれまで 手掛けてこられた著者による入門書である。
学びの共同体が目指す教育内容、教育手法、環境、得られる波及効果な どが丁寧にまとめられ、この本を読めば、小グループの組織の仕方等の 実践的な側面も、背景にとっている理論的な側面も分かるような内容に なっている。
本書は、わずか60ページほどのブックレットではあるが、一言一句に意味 があり、内容の充実度は極めて高いものである。
学校や教室に民主主義を実現するためには聴き合う関係が必要であること、 協同的学びには話し合いが必要なのではなく、学び合いが必要であること、 学力向上の最大の秘訣は学力向上を目的としないこと、学力向上は発展的 学力から起こり、それが基礎的学力に波及すること、1人でも教室を閉ざ す教師がいるならば学校改革は成功しないこと等々、読んでいて目から鱗 が落ちる内容が次々と書かれている。
著者の活動によって、近年は、韓国や中国をはじめとした諸外国でも、こ の学びの共同体モデルが普及しているという。大きな可能性と波及効果を もったこの教育モデルのミニマル・エッセンシャルがぎっしり詰まった、 「大きなブックレット」であり、素晴らしい教育書である。 近年、新自由主義や成果主義を背景にした学校改革をさかんに主張する方 にこそ、「学び」の本質に迫った本書を読んでいただきたい。
先にコメントした方の評、正鵠ズバリです。 「コフレドール」にとって代わられたカネボウ化粧品「テスティモ」のCM(大塚寧々起用)ソング『時の旅人』のアルバムバージョンが収められいます。といってもイントロが長いだけですが。 あと、ポッカ「レモンの雫」のCM曲も入ってます。 『ハートカクテル』なんか読みながらBGMにするとよいでしょう。オフコースとか好きだったんだろうな。片岡義男なんかも。 というわけで想像つくでしょ。
本書は、2011年4月10日に行われた、財団法人ラボ国際交流センター 主催の「子どもの未来を考えるフォーラム〜学びあいが育むことばの 力」の講演、実践報告、パネルディスカッションを1冊の本にまと めたものである。
ラボ国際交流40周年、およびラボ・パーティー発足45周年を記念し て実施されたこのフォーラムは、タイトルにあるように、佐藤学氏、 内田伸子氏、大津由紀雄氏が中心になって、それぞれのご専門の視点 から、子どもや青少年のことばの教育や外国語の教育などについて、 意見や示唆を与えた内容になっている。
本書の構成と内容としては、やはり3名の主張が中心になっている。 具体的には、大津由紀雄氏は、ことばへの気づきを高める教育につ いて、主として小学生にとっての英語教育にふれながら述べている。 内田伸子氏は、母語の土台の重要性や、小学校の学力に影響を与える 要素として、しつけや習い事などを分析したご自身の研究結果など を示し、興味深い論考を与えている。そして、佐藤学氏は、「学び」 について深く切り込みながら、協同的な学びの可能性などについて 実に深い主張を展開している。
こういった3名の主張に加え、ラボテューターの熊井とも子氏によ る実践報告、ラボ教育プログラムとテーマ活動の紹介を挟み込みな がら、第3章では、パネルディスカッションの内容をまとめている。 ここでは、英語を学ぶ意味、人間にとって物語とは、異年齢の仲間 との学び、小学校の外国語活動などについて議論がなされている。
3名とも、非常に著名な研究者(実践者)でいらっしゃるため、そ れぞれのご著書を読んだことがある方ならば、内容的には特に目新 しいことはないかもしれない。しかし、それでもやはり3名の方の 主張には思わず読み入ってしまう。佐藤学氏のことば一つ一つの重み、 内田伸子氏の非常に興味深い実証研究結果、大津由紀雄氏の一貫して 主張されることばの気づきを高める教育など、実に充実した内容に なっている。
また、講演やディスカッションを文字におこしてまとめているため、 非常に読みやすいのも嬉しい。また、文字にはなってるが、臨場感 のある見事なまとめ方になっており、読みながら、会場にいるよう な気持ちにさせてくれる本である。
習熟度とは下位の子供達を救う方法としてあみ出された教育であるが マーフイーの法則(すべて手の集団で階層ができる)の通り、上位、中位で下層階級を産み出し、 上位の下より、中位の上ができると矛盾が発生している。下位の下位は目も当てられない状態 になる。個別学習が良いは当たり前である。
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