☆ベースボールを題材にしたハリウッド製作の野球映画には、『がんばれ!ベアーズ』、『フィールド・オブ・ドリームス』、『ナチュラル』、『メジャー・リーグ』等も含め、オーソドックスな作品から感動作まで、ピンからキリまであり、言わずと知れた、野球王国のアメリカにとってはお手の物。だが、本作のように、日本に来た助っ人外国人選手にまつわるコメディ・タッチの作品は極めて珍しく、ある意味、異色といえる。※4年前のワールド・シリーズでMVPを受賞したことのある、ニューヨーク・ヤンキースのスター選手ジャック・エリオット(トム・セレック)は今期の成績不振を理由にトレードで、何と日本の中日ドラゴンズへの入団が決定するが、大リーガーとしての実績とプライドでプレーし続けようとする。そんな自己中心的主義の彼を待ち受けていたのは、チームワークを徹底的に重んじる、昔気質の頑固者の内山監督(高倉健)。当然、水と油の2人は考え方の相違いから、ことごとく対立。エリオットは異国=(日本)の伝統や文化の違いに戸惑い、球団ならではの厳しい練習や日本式の習慣などに苦労していた。球場で知り合ったヒロ子(高梨亜矢)と意気投合し、恋に芽生えるが、彼女の父親は内山監督だった…。という、オチもある。常にマイペースで試合に励むエリオットは、弱点を知られていない事もあって活躍を続ける。そして、【ミスター・ベースボール】という、ニックネームで呼ばれる程の人気者になるが、内山監督にバッティングのウィーク・ポイントを指摘されたり、変化球に対応できないことなどを他球団に見抜かれたりの踏んだり蹴ったりの屈辱的苦痛を受け、挫折感を経験し、自暴自棄になる。やがて、エリオットと内山監督は徐々にわだかまりを解消していき、2人は心を許し合う。相変わらずお互いに意固地であることには変わりはないものの、内山の品行方正な人柄と優しさ、揺るぎない熱意を知ったエリオットは、内山監督と明るいチームメイトの信頼と期待に応えるべく、一生懸命の努力を積み重ね、必死の大奮闘を繰り広げる!。実力は申し分ないが、過去の輝かしい栄光にしがみつき、誇りを失い、泥沼のスランプに陥るといった設定は、従来のヒューマン・ドラマの典型的な、お馴染みのパターンであるが、日本とアメリカの野球観の違いと試合制度に対する構造上の微妙なズレ、様々な仕組み、日米を問わず、これからのプロ野球界が目指す方向性や球団の複雑な内部事情を緻密に描いている点も印象深い。ペーソスとシニカルな味わいを盛り込んだ、さわやかな人間模様も面白い。日本のしきたりや風物、日常生活に密着した風俗諷刺喜劇としても無邪気に楽しめる。トム・セレックは実際に野球選手としての役作りに専念し、メジャーのチームの練習に自ら積極的に参加しただけに、メジャー・リーガーの動作や仕草を完璧に把握し、見事にこなしている。ユーモラスな芝居ぶりも見物。私は高倉健氏が大嫌いだが、本編では人情味溢れる真摯な演技を披露しているので、今回だけは、毛嫌いせずに褒めてあげましょう。大規模なエキストラ=(観客)を総動員した球場でのリアルな試合描写も実写的な表現が駆使されており、臨場感たっぷりの迫力で、痛快に展開される。フレッド・スケピシ監督も手堅い演出を見せており、そつなく捌いている。部分的に苦笑を誘う?な場面もあるが、特別な違和感は感じない。意外にして、嬉しい掘り出し物と言うべき、最高&愉快なエンターテイメントです!☆。
この当時、流行り出した NG特集のような「業界もの」を取り入れた作品。必殺撮影中の藤田まことが屋根から落ちて、目が覚めると、本物の中村主水になっていたという、その瞬間に夢落ちまで わかってしまう展開で、はっきり言って下らない(笑)ですが、「仕事人VS暴走族」のような セルフパロディ、および正月にいっぱいやりながら見るには、いいのではないかと(笑)
ゲストが 長山藍子以外特に出てこないのも 個人的には可。 (レギュラー以外の いらんゲストがやたら大量にでてくる映画版とか他のスペシャルは どうも 受け付けないので…)
悪人チェックと題して、悪人ゲストが 南原宏次、戸浦六宏、今井健二なのもお約束。
星一個の減点は 仕事人の助っ人にアニマルレスリーを使った点。(まあ 夢の中だからいいかという気もするが)
エンディングで 本物の長山藍子に対面したシーンの 藤田まことの演技は 男性なら 思わず ほくそえんでしまうでしょうな(笑)
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