とにかく、新シリーズもすでに終盤戦。ここにきて作風は更なる進化を遂げる・・・というか、旧シリーズ本編1、2部が持つ緊迫感とせつなさ、無謀編のハチャメチャギャグのテンション、それが新4部の持つ複雑精緻な哲学的、政治的背景に加味され、新シリーズ中、いや全オーフェンシリースでも、最高峰の充実度の一作に仕上がった。あ、それはメインの小説部分で、初回限定のオマケはノーコメントね。 しかし、本作を読んで、これまでの新シリーズ計6冊を全て読み直して、その細かい設定と伏線には唸った。さらに本当は、旧シリーズ本編及び無謀編も読み返したいのだが、それらは昔にほとんど売り払ったからなあ。要は、新旧全ての要素を複合的に出して、用語とか魔術の概念とか、この物語の基本設定を理解しないと、展開にピンとこない人も多かろう。例えば、この前々作、前作で突然天人種族の武器が使用可能になったのは、アイルマンカーが設定されたからだというのは、確かに前作を読んでも書いてあるのだが、本作にそのアイルマンカーが出てきて、初めて納得いったり。他にも、世界図塔の召喚装置の起動条件とか、カスミンダ台本とか、旧シリーズの伏線だし。さらに、意外と無謀編でこそ、ギャグの中に、案外重要情報が語られていたんだなあと。ヒュプノカイエンやオーロラサークルなどのアイテムが初出したのって、無謀編じゃなかったっけ。
そういえば、その無謀編であるが、本作でようやく、アーバンラマの三魔女そろい踏みで再登場。彼女ら無謀編組の再登場を引張ったのは、皆ギャグテンションとボケ担当だったから、シリアスな本編への絡ませ具合、扱いどころが難しいからだろうなあ。前作でも分かってたが、コギーがものすごく有能かつしっかりしたお母さんキャラになっていて、なんか寂しくもあり立派になったねえと。これは、残り二人があんまり変わらない(少し壊れている?)から、バランスだろうか。キースが出てこない(あるいは終盤に切り札として出すのか)のは、彼が全オーフェン中最大最強キャラで、神でも魔王でも茶化してボケで勝ってしまうからであろう。彼が大活躍していたはずの3部(原大陸黎明期)からの新作を、あえて描かないのもそういう理由か。
本作から唐突に存在感を放つジェイコブの壊れ方が素晴らしい。破滅的で刹那的なギャグキャラは、旧シリーズにも何人かいたが、その中で最も狂っている。「バンドマスター・鬼」って・・・。どちらかというと無謀編みたいなハチャメチャギャグを、おそろしくシリアスで絶望的な状況下でブチかまして、それが物語として構成として破綻していない(ギャグすら何らかの伏線)ところが、作者の筆力の成長なのだろう。
ついにベールを脱いだラチェットの能力。新主役なのに、これまでもう一つ影の薄かったマヨールの大活躍。それらがあいまって、本作終盤近くの盛り上がりは素晴らしい。虚実入り混じる精神・頭脳・アクションバトルは、この作者の集大成だ。それが、旧シリーズ2部ラストの聖域での世界図塔をめぐるバトルと、その背景と目的と使命をシンクロさせて引き継ぐような、緻密極まるプロットとシナリオにも感服。
最後に、ひとつ気付いた点を。この新シリーズって、基本的に「はぐれ旅」じゃあないなあ。旧シリーズのように、次々と町と舞台を変えて進んでいくのではなく、多数の新旧メンバーが分かれて、多方面へ旅するが、数日もすればすぐ戻ってきて集結、さらにメンバーを変えたりしながら離散。「旅をしそびれている」というひねくれた新趣向なのか。とにかく予想を裏切る展開であることは確かだ。
アニメ本編では元気な柔道少女ですが、ゲームでヒロインになると現れる
通称「遠距離型」のおとな鈴夏の一面もちょっと見られます。
そちらの彼女が好きな方には宜しいのではないかと。
ドラマでも「お兄ちゃん」とラブラブの模様です。
壮絶な戦いもこの巻で終わってしまいます。 ひとつの思いが人知を超えた奇跡を起こす・・・。 夜中にテレビ放送を見てとてつもない興奮を覚えました。 たぶんアニメだけでは満足できなくなってしまう人、よくわからなかった人には ゲーム版で楽しんでいただけると思います。 ぜひ機神飛翔もアニメ化してほしいです。
いかんせん、尺が足りなさ過ぎでしてたね。 おそらく原作やってない人が見ても理解できないでしょう。 あとは状況説明的な台詞が多いのも…まぁ仕方ないですかね
ですが、中盤あたりの巻では目立った作画の乱れも今巻ではなく、 グラフィックのクォリティは最高レベルです。 原作通りでかつ実力派のキャスト、音楽もハイクォリティ。
このクォリティを維持して2クールあれば傑作になってただろうになぁ…勿体無い。
ただ原作ファン的にはラストの演出がやや不満
本著はアリゾナ大学統合医療プログラム(アンドルー・ワイル博士創始)を修了した 9名の日本人医師による活動団体(JPIMAA)が出した最新の統合医療啓蒙書です。 統合医療、そして補完代替医療と言えば、兎に角、誤解・不信の多い領域です。 一昨年8月のホメオパシー騒ぎなんかは皆様も記憶に新しいところだと思います。 ニセ医学・詐欺・カルト、色々ございます(笑)。 ですから今の世の中、補完代替医療には胡散臭いイメージが払拭出来ない方だらけだと思います。 そして統合医療=補完代替医療と混同している方、こちらも多かろうと思います。 そこの所を明確にする為に出て来たのがこのご本なのです。
肝は「統合医療とは単に(補完代替医療と)西洋医学と組み合わせた医療ではなく、 医療の根幹である医師患者関係を構築する診療概念なのです」という巻末のお言葉。 JPIMAAの考える統合医療は34pから詳述されます。 ここは読んでのお楽しみ(笑)。 一方、アリゾナ大学統合医療センターの「統合医療の原則」はあえて途中で紹介されます(54p)。 何故なら、初めに引用すると正しい理解が困難になりがちだからだとか。 何と、弟子が師匠に物申す?? 実に面白い。 因みに、その師匠の原則とは。 1)治癒の過程において、患者と施術者はパートナーである。 2)身体だけでなく、精神・霊性・コミュニテイなど、健康や疾患に関与するすべての要素が考慮される。 3)西洋医学と補完代替医療の双方からあらゆる適切な治療を用いて体内の治癒反応を引き出す。 4)効果が認められる治療法ならば、できるだけ自然かつ低浸襲なものを選択する。 5)西洋医学を否定しない、無批判に補完代替医療を利用しない。 6)良い医療は良い科学に基づく。研究主導の新たなパラダイムを開く。 7)治療とともに、健康増進や予防医学も重要である。 8)統合医療を実践するには、自らの健康をもって例証し、自己探求し自己発展すべきである。 一体何処が誤解・理解困難の素なんでしょうか? 特に8)なんか実に素敵ですのに(笑)
本著で私が最も注目するのが、このプログラムが推奨する「抗炎症ダイエット」(79p)。 長寿食として実績のある地中海ダイエットをベースとした 野菜・果物・魚介類・オリーブオイル・未精製穀類・豆類・ナッツを取り入れた食事法だそうです。 そして一日3食。 私が実践するCR・IFからすれば、この「抗炎症ダイエット」は残念ながら50〜60点。 ですから星は4つ。 でもかつて、日野原重明先生の食事法を釜池先生がやはり「50〜60点」と評したのですから悪しからず(笑)
曰く、「統合医療を展開出来るのは、本気の治療とは、自身の生き方を変える努力が求められる事なのだと言う、覚悟を持った方に出会える時である・・・(156p)」 曰く、「良質なライフスタイルのための統合医療的助言を必ず処方箋にプラスする診療・・・(88p)」 実に素晴しい。 激しく同感です。 西洋医学に満足出来ない方、 補完代替医療って怪しくない? 統合医療って何? と言う方にお勧め出来る作品です。 JPIMAAの先生方の益々のご活躍をお祈り致します。
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