「ジャック・ライアン」シリーズ最新作は、若かりし頃のジャックという事でハリソン・フォードではなくベン・アフレック主演。 ハリソンのファンなので、個人的にはそう期待していなかったのですが、息をもつかせぬ展開で、冷戦時代の雰囲気と「核」の恐怖がリアルに表現されていて、予想以上に楽しめました。 ジャックって昔っから世界の危機に直面してたのね…。
この作品は映画にもされたけどは、トムクライシーものには珍しく、小説も、
良くできた映画の方も、意外に意外に人気が出ず、不思議に思った。
確かに、この小説はのプロットは相当難解なところがあったが、終盤のクライ
マックスの迫力は、とにかくもう本を手放させなくなる(その意味で、これは
「上」のレビューだけど、絶対に「下」まで行って欲しいと思うんですね)。
この作品は、核の恐怖、と言うより、人間の猜疑心の連鎖が超大国の間で起る
ことの怖さとてもうまく描いていると思う。
ただ、原作の題名(「恐怖の総和」)も、映画の邦題(まんまの、「トータル・
フィアーズ」も、微妙になんのことかわからない、と言うところがちょっと一般
受けしなかったのか。
僕は、これは「愚か者の論理」か、「猜疑心の連鎖」の感じかな、と思います。
とにかく、そのちょっと取っつきにくい邦題にかかわらず、この作品はポリティ
カルサスペンス、ウォーゲーム、近未来サペンス。。。様々な方向から一級の娯
楽性を持ちながら、今の我々の危ういパワーバランスの世界が、余すことなく描
かれる、これはおすすめの作品です。
ちょっと題名のことで、☆一個減らしています。
作品が完成している点で見るなら、本作品とスタートレック・ネメシス/S.T.Xが遺作です。 大事に聴きたいと思います。
映画のトータル・フィアーズとは、ストーリーはあまり関係ない ですね。 操作/画面の作り/メニュー等々、ゴーストリーコンそっくりです。 ステージも、ミッション実施と、銃撃戦等があり、システム的には、 ゴーストリーコンが名前を変えたという感じ。 イメージ的には、ペルーの大使館人質事件がありましたよね。 あんな感じで、建物に強行突入するミッションが多いです。 強行突入と言っても、ステルス性を高めた、服装/武器を選べます。 サイレンサー付きのものは、威力が小さいとか、自分で考えて ミッション開始できます。
私は本書を「クレムリンの枢機卿」と共に著者の代表作であると確信している。本業の傍ら執筆に9年を要したという‘潜水艦’から既に類希な感性が発揮され、政治・軍事を軸に展開された著者の世界は「クレムリン」に至り‘小説’として頂点に達し、更に膨大で綿密な本書の内容は、著者が‘執念’の結晶と化したことを伝える。
そして、題の「恐怖」は核やテロのことではない。著者は本書で「核の危機」を隠喩としてその緊張の「総和」、即ち結果を示唆することで、疑心暗鬼に満ちた我々人間の日常の内面に警鐘を鳴らす。当時の著者が単なる「軍事」でも「テクノ」でもなく‘作家’であったことの所以であるのだが、作風をすっかり変えてしまった最近の娯楽作しか知らない人には、是非触れてほしい著者の真骨頂である。
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