ある意味、こんなに画面の隅々まで映像表現に徹底した配慮が必要な作品もない。なにせ1室内のディスカッション・ドラマなので、普通に撮っちゃたら発言者の顔のアップの繋ぎで終わってしまいます。カメラアングルから俳優の立ち位置まで、おそらく1シーンごとに考え抜いたに違いない。シドニー・ルメットはこれが劇場用映画のデビュー作とは思えない演出で、ヘンリー・フォンダをはじめとする名優たちの演技も見ものです。ヘンリー・フォンダの役は最初から手のうちをすべて明かさず、有罪派の意見がひとつ出るごとに反論として小出しにするので、本当はちょっと意地悪なんですが、観ている最中はまったく気になりません。アクションも特撮もショッキングな描写も、大げさな音楽もありませんが、一度は観るべき名作です。
超有名な法廷劇。
法廷劇=ディスカッションドラマであり、人間ドラマであるだけでなく、立派な推理ミステリーにもなっているのが素晴らしい。
もとはTVドラマの映画化。
中学生のときに、自室の白黒テレビで「水曜ロードショー」(水野晴男氏の解説)で観たのが最初。
素直に感動しました。
ヘンリー・フォンダが、アメリカの良心の代表として、善良な市民を演じています。
他の出演者も、いづれも芸達者ぞろいで、様々な人間のぶつかりあいを白熱した演技で表現。
ラストも印象的です。
その後、戯曲が、国内でも何度も上演されており、戯曲シナリオ(著者:レジナルド・ローズ /額田やえ子訳)も重版・改版を重ね、今も発売中。
アメリカTVムービーでもリメイク。(リリース済、主演:ジャック・レモン、ジョージ・C・スコット、監督:ウィリアム・フリードキン!)
本作に着想を得て、三谷幸喜により日本ならどうなるかという「12人の優しい日本人」も舞台、映画で作られました。
この作品が、これだけ長い間愛され続けるのも、テーマとシナリオが素晴らしいからでしょう。
アメリカ法廷映画史上の最高傑作であることは間違いない!
それよりも特筆すべきは、古い作品にもかかわらず現代社会の病理がそのまま存在している
アメリカ社会の凄さであり、将来的な危惧としての制作陪審員制度に対する問題提起の側面や、
人道や人権という言葉から発せられる誤ったヒューマニズムの脅威という、現代社会において
日常的な問題が随所に盛り込まれている素晴らしい作品であるといえる。
ある意味、こんなに画面の隅々まで映像表現に徹底した配慮が必要な作品もない。なにせ1室内のディスカッション・ドラマなので、普通に撮っちゃたら発言者の顔のアップの繋ぎで終わってしまいます。カメラアングルから俳優の立ち位置まで、おそらく1シーンごとに考え抜いたに違いない。シドニー・ルメットはこれが劇場用映画のデビュー作とは思えない演出で、ヘンリー・フォンダをはじめとする名優たちの演技も見ものです。ヘンリー・フォンダの役は最初から手のうちをすべて明かさず、有罪派の意見がひとつ出るごとに反論として小出しにするので、本当はちょっと意地悪なんですが、観ている最中はまったく気になりません。アクションも特撮もショッキングな描写も、大げさな音楽もありませんが、一度は観るべき名作です。
アメリカ法廷映画史上の最高傑作であることは間違いない!
それよりも特筆すべきは、古い作品にもかかわらず現代社会の病理がそのまま存在している
アメリカ社会の凄さであり、将来的な危惧としての制作陪審員制度に対する問題提起の側面や、
人道や人権という言葉から発せられる誤ったヒューマニズムの脅威という、現代社会において
日常的な問題が随所に盛り込まれている素晴らしい作品であるといえる。
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