人生論という堅苦しさはなく、軽快に読むことができる。 仕事や恋愛(結婚)など、人生における重要事項はカバーしており、参考になる部分も少なくなかった。 なかにし氏は自らが癌であることを告白し切らずに治す試みをしているようであるが、マルチな才能を持った人物でもあるため、まだまだ活躍することを祈っている。
ガンに対峙する心のありようを日記風に綴りつつ、現代日本のガン治療に対する疑念を提示している。 作者は陽子線治療によりガンが完治したという。この本が話題になることにより、同じ病と戦う富裕層が、今後この治療を選択するようになるかもしれない。そして日本のガン治療に選択肢とが増えれば、たいへん喜ばしいことではないかと思われる。著名人の持つ力の大きさを感じさせられた。 そして医療とは全く関係のないことについてもうひとつ。本書では、作者が生まれた中国牡丹江での体験も語られるのだが、その中に「従軍慰安婦は誰が何と言おうと確かにいた。町をあるいている若い女の器量がいいと、サッとさらわれていくのであった。」という内容の記述がある。これはどういう素性の人が、どういう素性の女性をさらったものか、レアケースでなく頻繁にあったのか等、詳しく知りたいと思う。できれば氏の著作ではなく公正な研究者による検証を望みたい。しかし、なぜガンの闘病録にわざわざこの一文を入れたものか。すっかり気が散ってしまった。
作者自身の人生を整理するために書いたような本。人間は,大なり小なり家族に対して憎しみを持つものだと思う。親,兄弟を大切に・・。当たり前のことのように思うがあたりまえと思えるには修業が必要。 「兄貴,死んでくれて本当に,本当にありがとう」 愛したいがための言葉に聞こえる・・。
常盤貴子は美人ではあるのだが、色気や存在感が薄いのでTVドラマ向き。『波子』役の女優にはいっその事、高岡早紀の方が自由奔放で映画に深みが出た。
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