雨に打たれただ立ちすくすイーストウッド。 銃をぶっ放すだけが、どこまでも強いだけがイーストウッドではない。 これもまた男イーストウッド。
放浪するカメラマン、ロバート・キンケイドはふと立ち寄ったアイオアの田舎で人妻のフランチェスカと知り合う。お互い惹かれあう二人。 二人は、お互いの人生に遠慮しながらも今までの人生になかった4日間を過ごす。最後の日に、ロバートは二人で人生を やり直そうと誘うが、結局、フランチェスカは残された家族のことを考えて、一緒に着いて行く道はとらない。その気持ちが 痛いほど分かるロバートもその後、一度たりとも彼女に会うことはしないが、気持ちだけは20年近く変わることはなかった。 そして2度と会うことなく、やがてロバートは死んでいく。今の世代の人間や一部の自由恋愛を望む人たちにとっては、 信じられないぐらいの二人のプラトニックな関係。アラン・シリトーの「漁船の絵」にも出てくる男女の関係、お互いを傷つけることを 恐れてそれ以上に踏みこまない男女の関係。やはり、一時期ブームにもなった作品だけあって、考えさせられるし、また 気持ちが和んでいく、そんな作品であることは事実だ。
一番初めと最後の曲に”Doe Eyes"という曲がありますがしっとりとしていて映画の最後のシーンに流れていたのを覚えています。 とっても切なくて心に残る大好きな曲です...。 それ以外の曲はどのシーンか全然思い出せませんがどれも本当にすばらしいです!ロマンチックでとっても聴きやすいジャズです。 どれも本当にムードがあって恋人と聴いて欲しいものばかりです。 とにかくお勧めです。
私は、「不倫は絶対反対!!!」なのだが、でも、最後、家庭を壊さなかった彼女の生き方と彼のその後の人生を思うと、最高に切なかった。2人の別れのシーン。泣けた。「せめて死んでからは一緒に・・・」泣けた・・・永遠の4日間。生きている間、その後、一度も会うことのなかった2人。人間は、理性だけで生きる動物ではないのだと思った。
最初に映画からはいった僕は、映画鑑賞後原作を読みたくなった。なぜなら『マディソン郡の橋』という、メリル・ストリープとクリント・イーストウッドのこの有名な映画が、とても文学的だったからだ。特に英語が得意というわけではなかったが、嫁に行った、留学経験のある姉妹が、たまに実家に帰ってきた機会を生かし、共に読み進めることになった。そこここに、まるでクリント扮する写真家が本当に撮ったような渋い写真が装丁されており、映画の場面を一つ一つ思い出しながらの歩みになった。長い小説ではなかったが、一冊読み終わるまでに何週間もかかってしまった。それでも最後まで読めたのは、この本が映画で味わった豊かさを充分にたたえた佳作だったからだろうと思う。レビューを書けるほど読み込めたかどうか分からないが、僕の記念すべき第一冊目としてここに感想を残しておきたいと思う。
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