CDドラマとして良い出来です。東北弁による演劇っていう点でも特筆すべきですね。研修前(白)、研修中(蒼)、研修後(赤)の話ですが、いや、心地良いです。ユメの故郷の遠野らしい雪女の話の白と、アンジェラ登場の赤でのユメは東北弁全開。キュートです。そうか、ユメはオボコであったか。地方から来てる娘って、故郷に帰るとこんな感じなんだろうな。酔っ払いオヤジ二人の飲み屋での会話も秀逸。推奨盤。
人気シリーズ「魔法遣いに大切なこと」の新作登場です。 相変わらず、みずみずしく鮮やかな絵柄が眩しいくらい光っていますね。
今回の「魔法遣い」は山田さんが原作から原案に変わり、ストーリーからよしづきさんが作っています。 これを最初知ったとき、私は正直少し不安でした。 彼のオリジナル作品のストーリーを見てみると、 「テーマや要素は絵にマッチして非常に良いのだけれど、設定や説得力という面ではとても弱い」 というのが私の率直な感想だったからです。 特に長編で何処まで通用するものなのか、かなり疑問でした。
それがどうでしょう?伏線、そして山場である主人公の衝撃の告白の引き出し方。 完璧です。もちろん作画も素晴らしい。 「魔法遣い」最高傑作を確信させる内容に仕上がっています。
ここ最近精力的な活動を続けるよしづきさん。更なる飛躍を期待しております。
中原俊監督といえば何と言っても「櫻の園」(つみきみほの方)「12人の優しい日本人」で知られる。それ以前のにっかつロマンポルノ作品にも名作が多い。しかし最近は長いことスランプかな、という作品が多く、本作もあまり期待せずに観たのだが、どうしてどうして、久々の好編に仕上がっていた。特に主演ふたりの瑞々しさが抜群だ。映画が初めての山下リオは、最初に組んだのが中原組でよかったね。岡田将生はこのところ凄く良くなってきた。次回作も楽しみである。それから太賀。「青い鳥」でのいじめ役が印象深かったのだが、本作では180度変わってのガクラン+メガネ姿。本当は岡田と並べても絵になる男らしいルックスなのに、このあたりが潔い。魔法遣いが公認化されて、霞が関が管掌している、というのも「何じゃそりゃ」的な背景だが、ホンと演出、役者の上手さがそういう考え方を吹っ飛ばした。導入部で「ああ、日本に魔法省があるんだな」とスッと入っていけたからね。冒頭とラストの北海道の「絵」も効いているだろう。中原監督が当初描いていた宮崎あおいバージョンも観たかったけど、癒し系のいい作品です。星4つ。
絵の雰囲気はとてもいい. ただ,シナリオの展開が少し急な感じを受けた. そういう意味で個人的にはアニメの方が好き. でも,持っていて損はないと思う.
大人向けのアニメに興味を持ち出して、初めて観た深夜アニメです。 最初に観たときの驚きは今でも忘れません。 音楽のクオリティの高さ、声の自然さ(いわゆる“アニメ声”じゃないという点で)、世界観のユニークさ、そしてなんといってもストーリー。
身の回りの人々との出会いや別れを通じて成長していくという内容はどこにでもありますが、この作品の主人公・菊池ユメには、最近のアニメにはあまり見られないものがあります。 単に周りの人の働きかけによってのみ動くのではなく、彼女には自分で必死に考え、積極的に目の前の問題や人間関係に取り組もうという姿勢があることです。
アニメのレビューサイトなどを見ていると、残念ながらこの作品は実際あまり良い評価を得られていないようで、その理由を読むと、「ご都合主義」だの「退屈」だのといった言葉が目立つのですが、退屈に感じるのは人それぞれですが、ご都合主義というのがよくわからない。
逆でしょう。
最近のアニメの主人公は自分から何も学んだり、働きかけたりしない割に、周囲の人が必死に持ち上げてくれてるのにも気づかないままに、無意識のうちに誰かを踏み台にして我が物顔で一丁前に思い悩んだりするようなものが数多くあります。 それどころか、周りの努力に気づくことはおろか、そんな恵まれている状況を、平気な顔して「俺は普通の人間だ」と言い放つ(そういうもの全てが悪いといってるわけではありません、中には本当に普通だったりきちんと周囲への感謝の気持ちを忘れないものもあります)ものまであります。
そんな内容をさしおいて、どうしてこの作品に描かれている成長をご都合主義と言えるのだろう、と僕は思います。 自分から学ぼうとした人間が、過ちを犯しながらもその度に考え、正しい道を進んでいくことが、できすぎた偶然だとは、どうしても考えられません。
初めて観た深夜アニメだといいましたが、“最初だから”ここまで弁護しているのではないです。 この作品を観てから、かなりの数のアニメ(一般にアニオタと言われる程度)を観てきましたが、未だに、いつ観てもこの作品に対する驚きや感動は、変わらないままです。
いろいろ要らんことも言いましたが、退屈だと感じなければ、純粋に良いアニメと言えるだろうと思います。
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