「月」をテーマにした超現実ドラマ「アナザヘヴン」のサウンドトラック。テレビ版の出演は大沢たかお、加藤晴彦、室井滋、本上まなみ他。テーマBGMは作曲家:岩代太郎が担当。シンセサイザーによる都会的なBGMは、旋律も良いし音色も美しい。
通常、サウンドトラックというと、オープニング/エンディングが目立つ程度で、あとは雰囲気だけのBGMというケースが多いが、このアルバムは違う。インストも良い曲なのだが、各場面で使われる様々なタイプの挿入歌が豪華である。SAKURA、ワイヨリカ、MIO、UNITED JAZZYなど、知名度は決して高くないが、モダンでセンスのいいナンバーが集まっている。インストは5曲のみで、残りの8曲は計7アーティストの曲を収録。
歌モノの筆頭格はLUNA SEAの「gravity」。所謂メイン・タイトル(=主題曲)として扱われており、主旋律はBGMでも頻繁に登場する。16ビートのゆったりしたミディアム曲で、珍しくあまり高音を使わないのだが、神秘的で良い曲だ。
「月蝕」を意味する吉田美奈子の「LUNA ECLIPSE」も、ミステリアスなシーンで多く使われており、主題歌の一つと見なしていいだろう。歪んだギターのノイズで始まり、規則的なビートの中、低音の女性ヴォーカルが、呟くように退廃世界を唄う。
コーラスはたった1回しかないのだが、この迫力はどうだ?! ♪次第に/欠落(か)けてゆく/満月の夜空 太陽に縁取られた/光輪(ひかり)の中で…
このサウンドトラックは、曲もさることながら、歌詞のレベルが高い。甘えるようなアダルト・チルドレン声で唄うワイヨリカの「さあいこう」も歌詞が強く印象に残った。♪僕たちは隙間を見つけ/その壁を乗り越えながら/誰かに謝りたいこと/素直になるべきときを
自分はどちらかと言うと保守的なリスナーなのだが、あまりにも印象に残る曲が多かったので、とうとう買ってしまった。普段このジャンルを聴かないリスナーでも驚くくらいだから、クオリティは保証する。岩代サウンドをもっと聴きたい人には全インスト曲を収録した「アナザヘヴン-スコア」もある。
人間の脳味噌を食べるという怪奇事件から、正体不明の「悪」を追跡していく刑事2人。目に見えないものを追っていくという筋書きには不満はないし、実際、途中では、一体「誰」が犯人なの? とも思う。こう思う時点で、観る人は、まだ「悪」の正体が分からない。「悪」とは「誰」じゃなくて、何? と思える人はすごい。江口洋介扮する刑事は、一体、誰を信じて、何を罰するのか混迷してしまう。己のうちにある「悪」。これこそ、「何」の正体なのかもしれない。それなりに楽しめるけど、ラストで、江口が口にするセリフはいただけません。観る人に、小説で言うなら「行間を読め」と突き放せばいいのです。なのに、江口は、教訓じみたことを言って現代社会を批判してしまう。これは蛇足というものでしょう。ちなみに、脳味噌料理の場面はいくつか出てくるけれどグロくはありません。
なかなか面白いホラーでした。 共著というのもある意味よいかもしれません。 DVDもあるみたいなのでぜひとも見てみたいですね。
前巻の続きで殺人はまた繰り返される。しかしこの巻から殺人者の真の標的が見えてくる。 刑事たちは犯人を追い詰めるも最後には思わぬ結末が…。 一気に読んでしまいましょう。
ドラマとは違い、かなりグロい(しかもエロい)です。最初の殺人現場のシーンで早くも『…ゲッ』となります。人間の弱さとか隙が、自らを滅ぼしていく感じが恐怖として描かれていて、一度ハマると、なかなか抜けだせない世界を持っている、後引くタイプの映画だと思いました。 ただ、最後までグロさが続くので御注意を!!
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