時代は変わっても名優の演技とセット等に力が入っているので上出来でしょう。最早 こうした時代劇は映像化は難しいでしょう。大映には銭形平次シリーズが有るでしょうから、是非ともDVD化が望ましい
昭和10年の作品だけあって、長谷川一夫(当時の芸名は、林長二郎)が若々しく怪しいほどの完璧な美しさです。 今の芸能人には見られない完璧な美貌を見ることが出来ます。 物語は、親の敵を打つ歌舞伎の女形が主人公・・というものです。 長谷川一夫はこの映画の中でなんと3役も演じております。 その中で彼は、主人公の母親も演じているのですが、それが本当に完璧な美女に見えるので驚きでした。 後の市川昆監督の同名の映画では、長谷川一夫も随分と年をとっていたので、同役での女装はかなりキツイものがありました。 映画全体を見ても、この昭和10年のものの方がスケールも大きく、ずっと素晴らしい出来ばえになっています。 とにかく何処をとっても「安っぽさ」を全く感じさせない大作に仕上がっています。 観ていると江戸時代にタイムスリップできる映画No1という感じです!
市川監督が、名優長谷川一夫を軸に山本富士子、市川雷蔵、勝新太郎、若尾文子、中村雁治郎ら豪華なメンバーをずらりと配しておくる一大娯楽時代劇。 人気女形の雪之丞が密かに剣術を会得し、狙うは親の敵討ち。 仇の娘(若尾)が彼に惚れたのにつけこみ復讐の機会を窺うが、娘の一途な思いに苦悩もする。 そしてふとしたことから彼と知り合い、ことの成り行きを見守る盗賊の闇太郎(長谷川の二役)。 面白いのは、雪之丞にぞっこんになってしまうスリの女役の山本富士子と、闇太郎に分不相応なライバル心を抱く三下盗賊の昼太郎(市川)の名コメディアンぶり。 特に山本のあけすけで伝法な口調、そしてそのことによって更に生き生きと輝きを増した彼女の美しさ! 「惚れちまったから私を抱いと!くれ、言うことをきかないなら秘密をばらす、それでもきかなきゃ殺してやる」「どう言われようがあきらめきれねえ、こちとら女でございますんでねえ」など、言ってることもその行動もうめちゃくちゃ。 映画の登場人物で、これほど魅力的な女を僕は知らない。 各俳優の演技も市川監督独特の映像手法も全編を彩っている名画だが、山本の輝きはそれら全てを凌駕した。 やはり彼女は名優だ。
敵討ちの大望を秘めた女形雪之丞が艶やかに狡猾に、敵である元長崎奉行達に迫っていくストーリーは、
時代小説の設定ではありがちかもしれませんが、この話は他の登場人物たちが活きています。
深く感動したり、じっくり考えさせられたり、ということは無い話です。ただ、読み終わったときに「あぁ、面白かった」と言えるキャラを活かしたストーリー。
それに「何か読み物を…」と思ったときに思わず手が出てしまう読みやすさ。
上下巻の2冊ですが、あっという間に読めます。
手軽で面白い時代小説をお探しの方は是非どうぞ。
とても面白かった!長谷川一夫さん演じる
雪之丞の独白が始まるとワクワクしました!
自ら手を下さなくても、憎い親の敵が
次々に死んでいく運命の悪戯がたまらない!
雪之丞と闇太郎のシーンもそそられたし、
軽く笑える昼太郎の登場も楽しみだった。
可哀想なのは、可憐で美しい波路さんだ。
天から外見の美しさを与えられても、誰にも
心から愛されていないなんて切なすぎ・・。
雪之丞をするには長谷川さんはお歳でしたが、
見どころも多く、じっくり楽しめる映画でした。
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