主人公の、あんまりヤル気のなかった女の子が就職したのは萬福中国貿易というちいさな貿易会社。実話に基づく映画なのだけれど、どのエピソードも面白くて、中国のおおらかさがつたわってきます。登場人物もみな個性的でステキ。小林聡美さんが好演していますが、個人的には意外な役の渡辺謙さんが大ヒットです。それと、それぞれの人物が何かしら素敵なセリフを残してくれて、見終わったあとになんだか爽やかでちょっと元気とやる気がもらえたような気がします。どうしてDVDにしてくれないんでしょうか。
渡辺謙という俳優には「眼力(めじから)」がある。その佇まいに風格があるのも、眼力が大きい。本書はC型肝炎との戦いと、並行して行われた「明日の記憶」の撮影を日記として記したものだ。当然、同作品のことが多く書かれているが、役柄上のダイエットと治療からくる微熱に苦しみながらも、完成にこぎ着けたパワーに圧倒させられる。堤監督もこれだけ一本筋の入った俳優と組むと、いつもの「ワールド」は封印せざるを得ない。だから、本作は静かな名作になったのだと思う。同時に「SAYURI」のプロモーションと「硫黄島からの手紙」に取っかかっているのも凄いことだ。まあ、ハリウッドのウォーク・オブ・フェームに名を刻むスーパースター・早川雪洲に追い付くのは厳しいかもしれないが、日本語映画(邦画含む)を世界に出すことのできる俳優はまだまだ少ない。真田広之もその立場だが、ふたりにはまず三船敏郎超えを目指してほしいなあ。それも大変に高いハードルだけど(笑)。ともあれ、渡辺謙の「魂」を知るには最良の一冊である。
俳優陣の演技も素晴らしく、脚本もしっかり練られており、大変感動しました。
登場人物たちの本当は情けなかった部分や黒い部分に対して片目を瞑っているところもありますが、それはまあドラマですから。ですが、ドラマとしても史実としても十分堪能できます。
そして、先達が多大なる苦労をして独立、幸福、安定を得ようとしてもがいた末に創り上げた戦後日本に生きる私たちが、どのようにこの国を運営していくのかは、一人一人の民度に関わるのだと改めて考えさせられました。
−−この国はどうなるのでしょうか。 −−いや、次の世代である君たちがどうしたいかである。
(1)終りのない輪舞 (2)DON'T FORGET TO DANCE〜ある夕ぐれの情景 (3)MYSTIFIED〜君の面影 (4)ONLY LOVE REMAINS〜夜がこわれる時 (5)さよならをするために (6)SERENADE FOR K (7)17才の頃 (8)深い森に (9)遥かなる想い (10)ANDANTE
本編は全文は朗読していないため「大好きなあの文章がカットされてる!」ということは起きますが、かなりの長編で出来は最高。シーンに合わせて変わるBGMや映像もとてもセンスがいい。 そして特筆すべきはデータベースの充実度が半端じゃないこと。幕末年表、歳三の辿った足跡等を貴重な古写真や資料満載でヴィジュアル的に表現しています。なにより土方・沖田の手紙が写真・読み下し文・解説をあわせて多数掲載されているのには感動しました。 『竜馬がゆく』『世に棲む日日』のCD-ROMも同じくすごくおすすめです。
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