統制のとれたマスゲームは圧巻で正直、マスゲームの芸術性?には脱帽である。
(いい悪い、政治的な問題は別として)よくもまあ、ここまで練習できるものである。このビデオにはマスゲームや行進だけでなく、金日成の生家や、地下鉄の駅、博物館?(世界各国の元首から送られたプレゼントが展示されている)、
有名な山、空港、レストランなどの紹介もあり全体として北朝鮮の観光ビデオにもなっている。
ボーランド国営の会社が製作したビデオで一切のフィクションが加えられていないし、淡々とした内容なのだが、それでも仰天する場面がある。
有名な景勝地である大自然が美しい山の岩(かなり高い位置)に、ハングル文字で政治的スローガンが彫られている。
その案内人の説明によれば、「突撃隊が身を挺して彫った」ということである。
どのようにして彫ったのか考えるだけで身震いした。
このスローガンを完成させるのに、人命が失われなかったはずが無い、と感じたが違うだろうか???
幼稚園児の喋り方が気味悪いほどこびた調子であったり外国からの来賓客を出迎えるため、造花を手にもち振る女性たちの表情など、あまり日本では見られないと思うのだが。
パレードの後、脱げてしまったハイヒールの片方が道路の端に残されていたり、ビデオの中で何度も繰り返される「偉大なる首領」という単語がどうしても目に耳に残ってしまう不思議な?ビデオである。
言論の自由も無い国でキツイ制限のある中で撮られたビデオにもかかわらず編集のうまさを感じられた。
私はこのビデオを1998年ごろ、購入しました。(かなり以前,東京に小さな映画館で上映されたとき見逃してしまい、ずっと見たいと思っていたので)多くの方に見ていただけるといいなと思います。