原作の第1部「あつよしの夏」と第2部「遠いわかれの日々に」にほぼ忠実に映画化されていますが、やや詰め込みすぎでエピソードの羅列になってしまったという感じです。個人的には、上映時間を90分くらいにして、子猫を助ける話と千代子を助けたことで、主人公あつよしが一つ成長するまでの部分を丁寧に描いた方が、テーマがはっきりして良かったのではないかと思います。
それと映画独自の特徴は母の存在を大きくしている点です。原作では父の存在が非常に大きく描かれていますし、実際、母自身も主人公同様に、父(=夫)を尊敬しているのだという描写が数多くでてきます。映画では子どもを持つ母のたくましさが前面に出されていますが、これはこれでおもしろいと感じました。
配役はほんとに良くて父の小林薫、母の樋口可南子、姉の高橋かおり、千代子を演じた子役はイメージにぴったりではまり役でしたね。特に高橋かおりがとても良い。姉として兄弟に頼られる少女のたくましさ、それゆえに心の奥に存在する辛さや寂しさみたいのものをサラリと表現していて秀逸。主人公役の子役はちょっと初々しさにかけるかな? 演技はうまいけど。
今回、久しぶりに再見したんですが、父親役の小林薫はこの映画が公開された20年前から、ほとんど容貌が変わってなくて驚きです。この頃はまだ「イキのいい奴」の寿司屋の親方ってイメージが強かったけど・・・。
ちなみに映画で使われたあつよしの家のオープンセットは、原作者の父が、 「よくも(昔のあつよしの家に)そっくりに作ったもんだ」 と感心したのだとか。
最終話より、第9話「佐七の恋」が見どころです。
もういいお年の佐七(石橋蓮司)が少女の面倒を見るうちに恋に落ちるのですが、その切ない恋の行方が何とも 言えません。石橋蓮司さんの好演はもちろん、少女を演じる加藤夏樹さんの無邪気な感じが、年の離れた二人の 恋に違和感を感じさせずよかったと思います。
この物語の特徴ですが、各話でメインになる人物は違っていても、周りの登場人物が温かく関わってくれている。 それがいいですよね。
佐七の恋の行方、見届けて涙してください。
孫が凄く喜んでいました、よく見てるとのこと、ありがとうございました。
「時代劇作り」の中枢にいた能村庸一氏の肉声を通して、 なぜこの10年でテレビ時代劇は壊滅的な状況になってしまったのか、 時代劇ファンの多くが知りたがったその経緯が生々しく伝わってくる一冊。 言葉の端々からは現状への行き場のない悔しさが伝わってくる。
と同時に豊富なエピソード数々は、 名作を残してきた時代劇プロデューサーの芸談としての面白味もあり、 まさに「時代劇の作り方」というタイトルに偽りなし。
終盤、能村氏の独白が延々と続くのは冗長な気もしたが、 最後に掲載されている石橋蓮司との対談の充実ぶりがそれを忘れさせてくれる。
大竹一重はとっても美人なのに、どうしてこう言う路線になっちゃったんでしょう。 ミスなんとかだったのに、AVっぽいモノばかりですよね。 (勿体なくもあり 嬉しくもありなんですが)
初老の男と若い女と言う設定はありがちですね。 そして、あっさり最後に加奈は死んでしまった。 川(隅田川)が1つのキーワードになっているのはちょっと凝っていますね。 それと、館の「首から上の・・・ご遠慮下さい」と言う貼紙、オモシロイですね。
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