このCDの何が凄いのかといえば、若き日の宮川彬良さんの理想の高さを体感できることだと思います。 サントラとしての場面を豊かにするための分かりやすい音楽という基本線は踏まえながら、テレビアニメのサントラの型にはまったスタイルには落ち込まないようにして、音楽的に豊かにまとめています。 また、「密漁のあった日」の2:45ぐらいのところは、ぶらり途中下車の旅のオープニング曲に使用されています。ですから、ブッシュベイビーの音楽と言ってピンと来ない人も、耳慣れた音楽が含まれていると感じる可能性もあります。このオープニング曲は何回もテレビで聞いたことがありますが、まさか元々はブッシュベイビーのサントラ収録だとは思いませんでした。 マツケンサンバIIや、宇宙戦艦ヤマト2199の原点的な音楽と思います。 主題歌は別の方が手がけていますが、APOLLOもかなり壮絶な内容で聴き応えがあります。それも含めてなかなか面白い1枚だと思います。
ジャッキーとマーフィーの日常生活と別れという 「世界名作劇場」の常套的ストーリーです。 しかし本書の裏側には広大な思想的なものが広がっています。 それはイギリス帝国主義、奴隷、環境破壊などです。 率直に言えばジャッキーたちの生活は、 原住民たちの領域や仕事を「奪い」そして 彼ら原住民を召使として扱うことで成り立っています。 ジャッキーたちと原住民テンボは仲良く描かれています。 しかし、彼女らの配置をよく考えてみると 帝国主義と奴隷制という恐怖の「絵」が浮かび上がってきます。 そして密猟者たちが出てきます。 彼らは象牙などを「東洋」に売りさばくといいます。 これはすなわち我々「東洋人」もアフリカの資源を搾取しているグループに 属していることが分かります。 アニメ版『ブッシュベイビー』の脚本は宮崎晃さんです。 このような思想を埋め込んだ宮崎晃さんに敬服しています。 小説版の作者は苦労したことと想像しております。 ご苦労様です。
アフリカをテーマにした名作文学。 どんなものだろうと見てみたら、自然と闘う冒険物語! ケニアからイギリスへ帰るつもりが、少女ジャッキーは、あることが きっかけで船に乗り遅れ、ケニアに取り残されてしまい・・・。 火の中、嵐の中・・・、ハラハラされられます。 この「完結版」は、一本の映画のように上手く まとめられていました。そして、全40話も見てみたいと思える 作品です。
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