30年以上前、私が高校生の時「未来からの挑戦」を見てもう夢中になり土曜の六時五分が待ち遠しくて仕方ありませんでした。今の若い人たちが見たら「何これ?」と思うかも知れませんが、あの時あの時代を過ごした人たちならわかってくれるのではないでしょうか。薬師丸ひろ子さんが「ねらわれた学園」で映画化されましたが、やはり私は「未来からの挑戦」が好きです。 当時みんな飛鳥清明に憧れていました。だから途中からでもこうしてDVDになって再び見ることが出来本当に感激しています。
毎日楽しみにしていた少年ドラマシリーズの中でも、1975年当時小学三年生であった僕にとってこの作品は最も印象深いものでした。しかし、最近、俺たちひょうきん族DVD等、俗に言う「タイムスリップ」系の企画に期待を裏切られた経験があるので、なぞの転校生は「あの不気味なテーマ曲を聞けるだけでもDVDを買う甲斐がある・・・」と余り期待しないで購入してみました。 全二巻、一気に見ました。当時夢中になっていたこのドラマに対し単に「懐かしい」という気持ちが多大にあるのは勿論ですが、それ以上に感動した事が幾つか有ります。まず、当時のNHKドラマの優秀さには、最近のドラマが見習うべき事があると思います。セットや衣装は超低予算ですし、有名俳優が出ている訳でもありません。しかし内容の濃さ、”流行すたり”を超えた普遍的キャラクター設定等、今見ても新鮮に感じられました。また、核戦争から逃げる非暴力主義の次元ジプシー達・・・今から30年近く前の作品に、今の政治、世相を反映するものが有り、反省させられる一面も。 もちろん、小学生であった当時「核戦争」、「内容の濃さ」等と言ってもピンと来なかったに違いありませんが、今、大人としてこれだけの充実感を経験させてもらったこのDVD,お奨めです。
大友監督の「工場中止命令」以外は、 大きく異なるストーリーですが、映像 化されていない短編物語があります。 SF作家の巨匠・眉村卓の不可思議SFの 世界をオススメします。
昔から、眉村卓さんは読んでいました。久々に読んでいない作品でよかったです。
1975年11月にNHKで放送された同名のドラマの原作です。 初出は盛光社から出ていますが私は1975年の角川文庫版で読みました。 1998年に妻夫木聡くん主演で映画にもなっています。 ジュブナイルなので簡単に読める程度の枚数なのですが読後のさわやかな余韻の中に 私達の未来に対する不安が刺のように引っかかる作品でもあります。 予言された世界の終末は本当にくるのでしょうか? 30年以上前の作品でありながら現在の世界情勢を見ると不思議に引っかかる思いがあるのは確かです。 眉村さんはサラリーマンから転職してSF作家になったので企業を舞台にした作品で知られています。 しかし、プロットの確かさや表現力の豊かさ、心理描写の巧みさなどロマンにあふれた作品も多く 映像化された作品も少なくありません。 「ねらわれた学園」「幕末未来人」アニメ「迷宮物語」「世にも奇妙な物語」にも何作かあるようです。 NHKのドラマはDVDで発売されています。 ドラマの出来は良いのですがマニアの方が録画した家庭用のVTRからの採録なので画質はそこそこです。 ちなみに角川文庫版の解説は手塚治虫大先生が書いておられました。
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