この1年この手の世界の本もいくつか読むようになりました。そこで改めて不良品。まず最近の半グレとの違いでは→前が宇梶さん。→後が暴走族OBの半グレ(後期暴走族)。 【年齢】1962年生まれ→1982年生まれ 【時代背景】バブル好景気→ロスジェネ不景気 【立地】立川市(東京郊外)→世田谷区杉並区(東京高級住宅街) 【家庭環境】貧困→中産階級 【チーム名】ブラックエンペラー→関東連合(ブラックエンペラー) ※10年前の解散済み。後期ブラックエンペラーと前期ブラックエンペラーには関係なし。 【人数】2000名→5〜10名 【対立相手】1000名〜→100-200名(渋谷チーマー) 【行為】集団暴走族→徒歩(電車)暴走族 【行動】1:1のケンカ、武器を用いない喧嘩、暴走行為を好む。バイクの 技術、喧嘩の強さ、年齢による上下関係。→少人数でのゲリラ戦。武器を使っての暴行、写真を撮っての脅迫、恐喝行為。年齢、暴力と金銭収入による上下関係。
違いは70、80年代と違い90年代の暴走族が凶悪化したこと。 特に東京では5名-10名の暴走族は、100名以上のチーマーを相手にしなかったために、急襲するような戦法やナイフや金属バットを用いた方法、ケータイや写真を使った恐喝行為に走ったことがあります。 彼らは「勝った」と吹聴してますが、単に卑怯だっただけです。 また少年法を傘にした卑怯な戦術(暴行行為を未成年の後輩にやらせる行為)や時代背景もありあくまで「カネを稼ぐ」ことにこだわったこと。そしてただ「カネを持ってる」「有名人と知り合いである」と言うだけで賞賛する気風が00年前後の日本にあったこと。
宇梶さんは10代で暴走族を卒業し芸能界でにしきのあきらさんの「付き人」など下仕事を20代でずっとこなして成長していきます。10代で収監されてからは以後1度も捕まってません。結婚して子どももいて実業を頑張ってます。 一方半グレ(後期暴走族)は、OBを頼ってまずAVスカウト会社を組織します。 また暴力団でない暴力装置である彼ら、またスカウトであることから若い女性を手配できる彼らは、女性にモテたかったり他人から恨まれやすい不動産や人材の創業社長に重宝がられます。 そうして夜の世界で勢力を伸ばしていきます。今でも後期暴走族(半グレ)は「民間人」や「実業」をアピールしつつも扱っている案件は怪しい飲食店、スカウト会社やネット会社です。 成人してからもありとあらゆる犯罪に関わり、前科を重ねています。 そのたびに言い訳をし、示談で釈放されます。 しかし犯罪組織や暴力でしか縛れないために、暴力装置と戦い続ける羽目になります。 そして敵対勢力(暴力団)に攻勢をかけられてジリ貧になるとあれほど嫌ってた暴力団にすんなり入社しあっさりと暴力団化。 現メンバーの多くがすでに現役や元暴力団員です。
現在、ヒロミさんや宇梶さんのように元暴走族の人は関連の話題には一切コメントせずに距離を置いています。 つまり彼らのような前期暴走族と後期暴走族(半グレ)は明らかに思想や生き方が違うと言うことです。
今作でも宇梶さんは自身の10代を否定的に捉えています。 「自身のやったことは取り返しがつかないけれど、やり直しはできる」と言う風です。同様に極貧の少年時代、家庭内での不幸から明るさを忘れずに成功したチャップリンを引き合いに出してます。 僕の記憶が正しければ宇梶さんが元暴走族総長で収監経験のある話を初めて語ったのはもう40代で人気俳優になった頃だと思います。 参加型番組で参加者が「俺は前科があるから云々・・・」と言う話になった時に「俺も前科はある。だから気持ちは分かるよ。」と語り出したのです。 風貌からなんとなく「あー」と言う感じはあったのですが、刑務所に収監されてたって話は明らかに他の出演者が「そんなこと言っていいの?」と言う感じで動揺して見てたのを覚えています。本人もかなり興奮していて「たまらず」と言う感じで話してました。 その後、この話は有名になってくのですがその時は宇梶さんの圧力に圧されて参加者もおとなしくなっちゃうし、他の芸能人もコメントせず、割とグダグダした終わり方になりましたね。
僕は世代的には「最近の」世代ですが、上の世代にあったタガは僕らの世代には無いように思います。 また一般人や警察の「(不良同士争うのは)自分たちには関係ない」「(有名だったり、お金を持ってるのだから)多少危なくても勝ちじゃないか」と言う倫理観の欠如が彼らを増長させたのだと思います。 最近は、殺人事件や凶悪事件が表面化してお互い内乱をしてますが、もうオシマイだと思います。半グレ(後期暴走族)自体がどういう存在なのか分かってますし、10年以上同じスタイルで生きて来たのに「今日からはやりません」と言っても誰も信じませんよね。 彼らは今後も民間人アピールしますが彼らについた烙印「準暴力団」と言うは一生消えません。 もうおじいちゃんになりまで一生言い訳や開き直りはできませんよね。 そういう半グレ(後期暴走族)の中途半端さ、自己中心性や残虐性を知れば知るほど、宇梶さんのような正当な古い不良品がカッコ良く見えますね。
読者に語りかける形で書かれているため、非常に読みやすく、思いがストレートに伝わってきます。宇梶さんと息子さんが「イイ男」について語り合う箇所があるのですが、思わずグッと熱いものがこみ上げてきました。時々、この本を片手に、「自分は今がんばっているか」を見つめ直したいと思います。本当に良い本です。宇梶さん、ありがとう!
ドラマも大好きで、良く見てました。映画ももちろん見て、パンフレット欲しかったので、嬉しいです!
速いテンポで進みながらも脚本がしっかりしている。ケンや信長や夏や可成など、ぶれる事なく筋の通った役をしっかり演じている。また、台詞の少ない脇を固める役者の方々も迫真の演技で世界観を作り出している。 軸がしっかりしているので視聴者を飽きさせないどころが惹きつけていく。 おもしろいドラマでした。
高校の野球部時代に毎日受けた上級生らによるシゴキは、
前近代的で稚拙な日本の民度を露呈する一片のように思う。
しかし、そこで否が応でも忍耐が身についたと同時に、
暴力に対する恐怖心も払拭された。
それが後に非行の道に走ったときに役立つという皮肉が生じた。
暴力は許されないことだが、
たとえ不良であっても、その頂点に立った人の背景には、学ぶことが多い。
生きていると、ウジウジと悩んだり、ストレスが溜まることが少なくないが、
一日一日、自分を磨くために前進するようにと、背中を押してくれる一冊だ。
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