小池昌代氏が日経新聞の書評で「恐ろしいほどの面白さ」と絶賛だったので 期待して手にしたけれど、私には特別面白くはなかった。つまらなくもなかったけれど。
三十代半ばの大学教師(文学専攻)が、直接の教え子ではないけれど文学志望の大学生の青年と 関係を持つ。女は年甲斐もなく純な気持ちで青年に心を傾けていくが、青年の方はジゴロ的な人物である。ただし作家志望で詩なんか書いてるもんだから、完璧なジゴロにはなりきれない。好意的に解釈すれば、あくまでも貧しさゆえの性向なのである。つまり女の恋情を受け止める素地はあるから厄介なのだ。 それでもというか、当然というか、2人の蜜月は短く、男は自分の年齢に相応しいガールフレンドが出来て女の許を去っていく。女はなかなか諦めきれない。男が生活に逼迫すると、捨てた女に未練のありそうなそふりを見せたりするものだから、いつまでもうじうじ男に纏いつき、会えなくなっても昔の住まいを探し訪ねたりする。
歳月が経ち、女は再婚し夫の親を介護し、そして過去の恋愛を小説に仕立てようとしている。 私たちは創作の現場にリアルタイムに立ち会うようにして、上記の恋物語を読み進んでいく。 たしかにこの小説には、 恋する私、 恋しつつそれを時を経て検証する私、(以上は小説内小説の中の私) そして小説内小説の書き手である私、 もし私小説なら、この作品を書いてるリディア、 と、複数の私が折り重なっている。だからって読んでいて、ああ、複数の私が交錯してるぅ! とはならない。 素直にすいすい読み進んでいける。あえてそんな事を念頭に置かなくても楽しめるのだ。 小説の構造というのは、こうでなくちゃ、と思う。 器だけ凝って中身が陳腐だったり、豊穣な中身を器に凝らずに盛り付けたり、 とはなっていないところがとても好感が持てる。 作家の企みと情感とが融和しているということは、とても上等なことなのだと、改めて思う。
全体を通じて快適な作品。開放的で乾いた、しかし豊かな音色の好演奏が次々と聴ける。中でも1曲目の「祈り」がいい。メロディーを朗々と聴かせつつ、その合間に「タータタ、タラタタ、タラタタ、ターター」という特徴的なフレーズが何度も繰り出される。この執拗な繰返しがたまらない。最近ではこれの直前に「さん、はいっ」と合いの手を入れて歌いながら聴いている。出だしにふさわしい、実に気持ちのいいナンバーだ。 以降もいろんな調子のボサノバが続く。聴き流しても快適だが、思わず耳をそばだてる心地いいフレーズが現れるので、結局は聴き入ってしまうことが多い。「私達の悲しみ」の太いフルートや「無用の景色」の刻むようなピアノソロなど、何気ない所にも快感のツボがある。
【邦題:ジェット・パイロット】 アラスカの米空軍基地へ、亡命して来たというソ連軍女性パイロットと米空軍パイロットとの偽装亡命を描く、1956年製作・『ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督』の傑作航空映画。 【哨戒飛行をするジェット戦闘機隊は不法侵入のソ連ミグ戦闘機を発見。威嚇射撃を浴びせるがミグ戦闘機は、意外にも米軍基地に着陸するが・・・・・・。】 偽装亡命をテーマとした物語の展開の良し悪しは別にして、F‐80シューティングスター戦闘機・F‐86セイバー戦闘機・F‐94スターファイア戦闘機・F‐89スコーピオン戦闘機・T‐33練習機・B‐50爆撃機など、懐かしのジェット機の登場は壮観! また、あまりスクリーンではお目にかからない音速突破をしたロケット機・「ベルX‐1」の登場にもご注目! 迫力ある実機のジェット機が大空を乱舞する空中撮影シーンは、‘ お見事 ’の一言につきると思うが・・・・・・。 ・・・・・・DVD発売に超期待!
地球交響曲を全曲観ているが、最も難解な一曲でしょう。テーマが音だから。。。どうしても、映像では表現できない限界があるのか、わんこの理解色が足りないのか。。。いずれにしても、第一番から第五番を観てきたのと同じようには観れないです。もう少しわかりやすく噛み砕いて?欲しかったかな。。。
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