100万年地球の旅 バンダーブック [DVD]
当時手塚治虫は虫プロ倒産の後は漫画に専念していた。しかしアニメの夢は忘れることできず、ついにこのアニメで復権を果たす。
演出・原案・構成: 手塚治虫 チーフディレクター・キャラクターデザイン・美術構成: 坂口尚 手塚は当時莫大の量の連載を抱えており、このアニメが完成したのは実は放映当日であったというのは有名な話だ。しかし、手塚は決して手を抜かなかった。その情熱がこのあとの3本の24時間テレビアニメとなって結実する。それが虫プロの再結成の礎となり、今に続くのである。坂口尚が一作目から関っていたのも注目。この人も実は天才肌のアニメーター、漫画家であった。
図説 シャーロット・ブロンテ (シリーズ作家の生涯)
繊細な文字で埋められたシャーロットの直筆原稿や手紙、父や弟妹達と日々を過ごした牧師館、
手作りの品や在りし日に使っていた道具類など、彼女の面影を感じさせる写真や図版がたくさん
掲載されています。しかし、図版だけではなく彼女(達)の詳細な小伝もきちんと付されており、
シャーロットやブロンテ姉妹の愛好家なら、一度は開いてみたい一冊ではないでしょうか。この本は彼女の人生を順を追ってたどる形式になっています。写真や図版と併せて丁寧に読んでいけば、
なぜあのような名作が次々と生まれたのか、どんな人生がその背後にはあったのか、それを少しでも
理解する手がかりになるかと思われます。
わずか1年の間に3人のきょうだい達に次々と先立たれ、身を切られるような孤独の中、
決して丈夫ではない身体で執筆に自分の全てを注ぎ込んだシャーロットの人生に触れることは、彼女が
なぜ(生きた時代の違いはあったにせよ)ジェイン・オースティンの作品を認めなかったのか、
なぜあんなにも書くということに魂を込めたのかを知るよすがにもなるでしょう。
結婚式にかぶったボンネットとヴェール、新婚旅行で着た色褪せたドレス、そしてまだつやの残る
遺髪の写真は、感慨なしに見ることは出来ません。38歳という、今ならまだ女盛りの若さで
亡くなったシャーロットの内気そうに微笑む姿が目に浮かんでくるようです。
ファンの方はもちろん、そうでなくともおすすめの一冊です。
小鹿物語 [DVD]
戦後すぐ、町の映画館で、親に抱かれて見た、思い出の映画です。
そのあと、創元社の世界少年少女文学全集で読んだ原作も、素敵でした。
主眼は人間生活にあり、動物を擬人化するような風潮とは無縁です
自然と人間の葛藤と調和、子供が大人になるとはどういうことか、
そして、母親が理想化されず、ほぼ等身大に描かれていることも、
特記すべきでしょう。昔の映画(1947)なので多少まだるっこしいかも知れ
ませんが、慣れてしまえば、惹きこまれること、請け合いです。
一見の価値があります。