日本合唱曲全集 多田武彦作品集
混声合唱を20年以上続けてきました。大の多田武彦ファンで、多田氏の楽譜・CD・レコードも沢山収集してきました。昨年は、多田氏の指揮で「柳河」を歌い、感激した思い出を持っています。
このCDは、多田武彦の20代から30代にかけて生み出された男声合唱組曲の名曲を集めた物です。録音年代にばらつきがありますが、日本を代表する名指揮者と実力あるグリークラブの演奏ですので悪いはずはありません。お手本のような演奏ばかりです。24歳の時に作曲した『柳河風俗詩』は、日本の男声合唱組曲を代表する曲です。師事していた清水脩の元で、作曲の勉強のためのエチュードとして作曲された作品です。後の多田氏の作風とエッセンスがその4曲全てに表れているように思います。
北原白秋が、古里「柳河」に対して、郷愁たっぷりに描いた一連の詩がとても親しみやすく、白秋特有の不思議な世界がそこに描かれています。
多田氏の全作品に共通することですが、そのモティーフとなる詩の選定からして的確で、情景がはっきりとわかる素晴らしい詩ばかりを選んでおられます。長い間、多くの人に愛唱されるためには、曲だけでなく、「詩」の存在の意味を忘れてはいけないと思います。
冒頭の印象的な男声ユニゾンの呼びかけからして個性的です。全編を通してノスタルジックで、悲しげで、日本情緒もたっぷりと含まれています。至極簡単なのに、味わいぶかい仕上がりになっているところが愛唱される所以でしょう。男声合唱特有の部厚い密集和音の縦割りのハーモニーです。
当時、多田氏は、作曲するためにオルガンを使っておられたというお話を聞いたことがありますが、まさしく、オルガンの響きです。ラストの郷愁を誘う終わり方も印象的な名曲です。
他の組曲もどれも大好きで、多くの「タダタケ」ファンにとっては必携のCDでしょう。
ミュージカルを見たのは初めてで、
やっぱり最初は、なんかこそばかったのは確かですが、
そのうちそうでもなくなりました。
入りこみさえすれば、泣けます。
笑いは、ちょこちょこと笑えるはず、たぶん。ほかに見たことがないので断言はできませんが、
ほぼストレートプレイのような気がしました。
「ミュージカル」というだけで敬遠する必要はないと思います。
ライブのセットはオリンピックイヤーということもあって、
ギリシャの円形劇場風?
日本合唱曲全集「雨」多田武彦作品集
多田武彦作品は、日本的な叙情性、高い完成度を有し、代表的な男声合唱曲である。
このCDは、その多田作品の中でも、代表的な名曲4曲を最高峰の合唱団が歌ったもの。
○「雨」・・・・京都産業大学グリークラブ(1989.3.26 吉村信良指揮)
○「柳川風俗詩」・・・・関西学院大学グリークラブ(1967.9.11 北村協一指揮)
○「中 勘助の詩から」・・・・関西学院大学グリークラブ(1971.3.11 北村協一指揮)
○「雪明りの路」・・・・・慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(1969.5.24 畑中良輔指揮)
○「草野心平の詩から」・・・・慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(1971.2.17 畑中良輔指揮)
どの演奏も、うなるぐらい上手で完成度が高く、当時の大学グリーの実力に感心する。
あまり合唱のCDが手に入りにくくなっている中で、ほんとうに貴重な珠玉の1枚といえる。