キャンドルバロンドールて~ちゃんの栄光のムービーリスト

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いま、「政治の質」を変える  この本は、随所に著者しか知らない小さいエピソードが散りばめられていて、ヒューマンウォッチング的な関心もそそられる。身近で見た鳩山氏、菅氏の溜息とか怒り、仙石氏の涙とか。
 それは著者が現場主義に立って色々な所へ足を運ぶというピースボート時代に培ったフットワークの良さが大きく寄与しているのかも知れない。「イザとなったら寝袋で寝たらいいやん」という感覚は今時の政治家の中では貴重だ。
 そして、色々な苦難を経る中で、しぶとく、したたかに学ぼうとする著者の基本的な姿勢が随所に読み取れて興味をそそられる。著者の一風変わった遍歴(自社さ政権与党で出発、野党側追及の女王、逮捕・裁判、副大臣、総理補佐官と思わぬ道を歩く)が普通の政治家にはないものだけに、学ぶべき場面が豊富だったせいもある。
 それにしても、この著者ほど、その立ち位置を変え、それ故に政治的スタンス、視点・視野を変化させてきた政治家も珍しいのではないか。それも偶然と言うか、チョッとしたアクシデントとさえ言える事情で、予期しない道を選択して行く。国交副大臣に就任することになる経過も正直に語られるが、そのまま社民党の国対委員長であったなら、今の著者はなかったはずだ。そして、東日本大震災が起こっていなければ、総理補佐官に就くことも勿論なかった。しかも社民党が政権を離れ、著者が無所属のままであれば、尚のことあり得ない話だった。
 著者も何度か本書の中で語っているが、政権・政策への監視、追及は政治家として大変重要な責務だし、その点で著者の果たしてきた役割も大きい。しかし、政治の具体的展開の中に入るということも、それ以上に重要なことだという主張は頷ける。しかも、そこで仕事をしたからこそ知り得たことはとてつもなく大きいようだ。
 そういう具体的展開のディーテイルが豊富に語られていることが本書の特徴なのかも知れない。例えば官僚とのやり取りが失敗談も含めて描かれているシーンは幾つもあるが、微笑ましくさえある。その中で抑えなければならない幾つかの重要ポイントの提起は、今後の政治家と官僚の関係の結び方の参考にもなるのではないか。
 もう一つこの本の注目すべき点は、政権担当者の素顔、本音に触れられていることだろう。鳩山、菅両総理大臣の総理としての資質に少し触れながら、近くで見たが故のそのあり方を語っているところは、今後の連立政権時代の総理を考える時、参考になる視点かも知れない。
 もっと直截に言えばこの政権で何が足りなかったか、何が補充されなければならなかったのか。もちろん、理念が重要なことは言うまでもないとして、それだけでなく、具体的に運営とかマネジメントとかを丁寧に大切にすすめられること。そして当たり前のことかも知れないが、キチンと人と繋がることの大切さを語っている。
 結論部分の社会の「質」を変える、そのために政治の「質」を変えることへの具体的提起は抽象的で、もう一つ説得力に欠けるのは、残念だ。ただ、人々の意識レベルまで「質」を問うことになると理性とか良心とかに及び、問題は相当難しいことになってしまいそうだ。

世代間連帯 (岩波新書) 軽く読めるし良い本だとは思う。
この本で上野と辻元がはっきりと累進課税の強化を言っているのは同感。マスコミも政治家も消費増税のことは声高に唱えるが、なぜか累進課税のことは議論すらしない。税調の答申でも取り上げられたのに、まったく黙殺されたままだ。実際の現場が垣間見える介護の話同様、その点は面白かった。
 ただ時々出てくる辻元の屁理屈には閉口する。例えば文中2回ほど、辻元の『現在の状況は、内需を拡大せずに輸出に頼った大企業が悪い』と趣旨の発言が出てくる。
一体 企業がどうやったら内需を作れるのかボクにはさっぱりわからない(笑)。企業は需要が見込まれるほうへ経営の舵を向けるのであって、需要を作るために経営を行うのではない。そもそも人口が減ってるんだから、普通に行けば内需は減っていくのは当然だ。辻元の言に従うと消費者は企業のマーケティングに踊らされるだけの愚かな存在だろう。この人、人間という存在を馬鹿にしているのではないか?為政者とは別に、民間のいわゆる草の根の人間が、このような屁理屈を煽って仮想敵を作って人を動かしていく、こういうのを草の根ファシズムというのではないだろうか。
それに比べると上野は遥かにマトモだ。派遣社員の規制強化を唱える辻本に『それでは企業の海外移転を助長するだけ(雇用も内需を減らすだけ)』とたしなめる大人の常識は健在。上野との対談でなければ、まともな本として成り立たなかったと思う。
 でも二人とも、結論を簡単に『連帯』とか美しいキャッチフレーズで言い切っちゃうのはどうなんだろうか。他人と連帯できない人間が世の中ではおそらくもっとも弱者なのだ。例えば現実に派遣社員の人でも(それだけではないが)他人との連帯が苦手な人も多いのではないだろうか。もしかしたら、それは自己責任と切捨てるのだろうか(笑)?
この本では、上野も辻元も連帯と簡単に言い切ってしまうことで、本当の弱者を切り捨ててしまっている、残念ながら。


コトノハ Vol.2~「kemuri」という小さなダイニング発のコンピレーション・アルバム~ 過去の生活環境から個人的には知らない曲も1/3くらいあるのですが、旧友や同年代+αのお客様を我が家でもてなした際になんとなくかけてみたら、大ウケでした! しかも全く違うタイプの集まり(ママ友ランチ、キャリアウーマン飲み会など)でも皆さん気に入ってCDジャケットを興味深く読まれていく…。
80年代以前に生まれた日本人(もしくは日本で育った人)であれば、誰もが心地余く聞けるCDではないでしょうか。

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