私の最高に大好きな作品です。
ここまで楽しませてくれた小説作品は自分の中ではありません。
今後もこの作品を超えるのは出ないんじゃないかと思うくらいです。
最終巻も最高のカタチで終わらせてくれました。
作者の賀東さんにはただただありがとうと言いたいです。
フルメタ最高です!!ありがとう!!
『600万ドルの男』後編
未来への鍵を握りそうなチルドレンのレベル7を超えた‘何か’が皆本に力を与え、皆本はアダムの心を救うことに成功する。
皆本やチルドレン、兵部らの活躍はあったものの、アダム達家族は、結局互いに心を開くことで家族の絆を取り戻していくという結末がいい。子供がちゃんと愛されているというメッセージを持たせてくれるのは絶チルという作品の根幹でもあり、温かい視線が気持ちのいいエピソードに仕上がっている。
『スタンド・バイ・ミー』
絶チルのクライマックスへ向けた次のステージの始まりを予感させる、新たなる‘黒い幽霊(ブラック・ファントム)’とのファースト・アタックエピソード。
葵、バレット、ティムの3人がストーリーを最後まで引っ張っていき、王道でありながらぐいぐい引き寄せられる。全編にちりばめられた3人の内面の葛藤と揺れ、そして心の成長の織り込み方が絶妙で素晴らしい。冒頭で黒い幽霊の再洗脳を受けるティムと、自分の過去を突き付けられるバレットの衝撃に始まり、皆本らへの連絡が絶たれた葵とバレットが2人だけでティムの奪還に奮闘する流れは緊張感があって面白かった。
今エピソードの注目は何と言ってもバレット。過去の衝撃と内面での葛藤、葵の気持ちを受けてから後の戦いぶり、そして彼女の涙を知って自分を見つめ直していく心の成長と、この物語は彼が‘男になっていく’成長譚といっていい。
さらに葵との‘仲間以上恋愛未満’を匂わせる描写がいたるところに示唆され、葵が彼に対して‘女神(ゴッデス)’の片鱗をみせた場面は、葵の女神の資質が初めて現れた重要なシーンであると共に、今後の2人の関係を期待させる描写だった。皆本と薫の関係の進展と並行して、今後注目していきたいカップルになった。
他にも、強力な洗脳を受けながら仲間を思う心で自分と闘うティム、狂気を孕んだ黒い幽霊の新たなる脅威、ギリアムの登場と見どころが存分に詰まっている。もちろん最後の葵の笑顔の可愛さも見逃せない。
今巻収録のエピソードで、物語は新たな局面を迎えたように思う。今後に繋がる重要シーンが盛りだくさんの27巻はぜひとも読んでほしい一冊。
このシリーズの全てはこの曲から始まった様です。広く知られた名曲を原曲の雰囲気を大事にしてなおかつ弾きやすさも考慮して、というこのシリーズのポリシーを見事に体現していて、聴いても弾いても非常に良いアレンジです。まずはこれから取りかかった、という人は多いでしょうね。
シリーズの一冊目ということで、とりあえずこの本を手に取って見た、という人も多いかと思いますが、基本的にはこのシリーズのどれを最初に買っても大丈夫です。楽譜を眺めてみて、気に入った楽曲があったらそれを買う、というのがいいのですが、オンラインじゃ楽譜の立ち読みは無理ですよねえ。もっとも、CDを聴けば弾きたくなっちゃう曲が何曲も出来ちゃうのは間違いないのですけどね。
しかし、付録のお手本というレベルを超えてるCDに収められた優れた楽曲の数々を、ギター弾きにだけに独占させておくのは余りにももったいない、と思いませんか?「南澤大介ソロ・ギター選集」でも作ってAmazon独占販売とでもして、広く音楽好きの方々に聴いてもらおう、というのはどうですか?>リットーミュージックさん
カバーができないミュージシャンは信用できない、とは達郎氏の言葉だそうですが、当に音楽に精通した者だけが成しえる、精密機械のようなカバー作品が今作です。一人が何声もこなすア・カペラ多重録音によりR&Bナンバーが細かく分解され、再び緻密に美しく再構築されているのをみると、当にミュージシャンにとってのカバーのなんたるや、というプライドの極みを思い知らされます。
楽曲を初めて耳にする私でさえもこころを奪われたのは、先ずピックアップされた名曲ひとつひとつの旋律の甘美さであり、同時にそれを再現する彼のハーモニーアレンジでした。技術ばかり紹介したくなる作品ですが、しかし根本的にその心地よさにこころを委ねたくさせる、流麗なコンポジションが際立つ曲ばかりなのです。1のメロウさ、7のスキャットのハーモニーと主旋律が重なる瞬間の煌き、一方軽快なビートに涼しさが宿る4のような曲もあります。6や11はその休符にまで音楽が宿る神聖さが素敵。2のベースは原曲や巷で耳にする同曲カバーよりクリアなのが印象的です。
そしてそれはやはり再現する彼の技術の高さにより成立しえるのだなあと思わされます。ソウルミュージック、ドゥワップにかかせないファルセットの柔らかさ、スラーやレガートの軌道の美しさ、メゾピアノの繊細さ、ベースの鳴りの安定感(特に5や7)、どれも細かいところまで注目すればするほど発見が多く、長く長く聴いてゆける作品なのです。わが国の音楽史で最高位に値する歴史的カバー作品でしょう。
達郎氏のオリジナル12は素晴らしいラヴソングで、特に遠距離恋愛や、単身赴任をされてる方には最高の英語詞となっています。又そのメロディラインも構成も今作の名曲達に負けない秀麗さをもちます。また今作に収録されるだけあって、キャッチさが緻密なハーモニーでくるまれわかりやすさと崇高さが同居する、POPSとしての高みをみるようでした。
主人公トラビスは孤独な男だ。 友人も彼女も居ず、ただタクシードライバーとして、どこへでも客を目的地まで乗せて走る毎日。 帰還兵である彼は不眠症に悩まされていた。 薬を飲んでも治らず、ぶっ通しで働いても眠れなかった。
上院議員選挙事務所で働く女性に惹かれ、奇跡的にデートに誘うも行く先はポルノ映画館。 呆気なく振られるも彼には、その原因が分からず、彼女の元へ怒鳴り込む。 ある日、厚化粧した少女が彼のクルマに乗り込んで来る。 すぐさま怪しい男に連れ戻され、トラビスにくしゃくしゃになった紙幣を渡し、黙っておくように言われる。 そして彼に狂気な正義感(?)が芽生えると同時に自己嫌悪に陥る。
闇のセールスマンからマグナム〜ポケットピストルまで何丁も買い揃え、射撃訓練、自己トレーニングに励む。 ポケットピストル装填装置をDIYし、武装強化した彼はモヒカン頭で上院議員暗殺を試みるも失敗。(この脈絡の無い行動、見ていて心地良いのは何故?)
次に悪人どもに食い物にされた少女アイリスを救出に向かい、皆殺しにした彼は泣き叫ぶアイリスの傍らで自らの頭部に銃口を当て引き金を引くも既に弾倉は空だった。
そして彼は少女を救った英雄として賞賛される。
数ヵ月後、(月日の経過の描写は殆ど無いのだが、モヒカン頭が元に戻っているのと撃たれた腕が完治している様子から、うかがえる。)彼はまた今日もタクシーを走らせる。
彼は今で言うアブナイ奴なのだろう。 何事にも不器用なのに拳銃装填装置を開発したり、肉体改造をやってのけたりする、(一見、地味な人が意外な才能を発揮するのは珍しくないことです。) しかし、何を目標に生きていけばいいのか、自分は何をすればいいのか分からない人は少なくないどころか、大半ではないでしょうか。
それが今なお、この作品が輝きを失わない理由のひとつだと思います。
12歳の少女娼婦アイリスを演じたジョディ・フォスターの怪しげな魅力。 武器商人の紳士っぷり、いかにもな悪人どもの面構え、終始画面に漂う退廃的雰囲気、けだるい音楽。 アブナイ奴であると同時に観客の自己投影でもあるトラビス。 すべてが愛おしい、幻想のような映画です。
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