私は仕事柄マーケティングの視点から本書を読んだ。
最初に出てくる、雲海テラスは、ロープウェイを管理・運営している方々が いつもの見慣れた風景を顧客に見せたいと思い、自らテラスを開くことで 夏の施設稼働率向上に貢献した。 これは地域資源は身近なところに眠っているということの良い事例であろう。
また、ブレストンコートのウエディングビジネスの、1回きりの挙式客を開拓 するため、まだ結婚を考えていない人、娘にアドバイスをする母をターゲットにした スイーツ博の開催などは、新たな顧客を開拓するいい事例である。
こういった取組の元になっているのは、星野氏が再生企業にはじめに打ち出すコンセプト であり、これはしっかりとしたマーケティングリサーチにより裏づけされている。 それをもとに再生企業の従業員が、自分達の力で顧客満足とは何かについて真剣に 考えることで、リピート客を創出し、稼働率を上げ、収益改善へとつながる。
もう少し詳しく再生手法を知りたかったが、軽く読むには適している。
分からない部分を残さず、何度でも読み、 時には数カ月間どこへ行くにも携帯して熟読し、 そしてその理論を経営に当てはめて、 100%教科書通りにやってみる…ということを 繰り返してきたことにより、軽井沢の老舗企業が、 全国でリゾート施設を運営する企業へと変身を遂げた。 本書は、知識・見識・胆識を兼ね備えた リーダーのケーススタディが紹介された「教科書」だと思います。
内村鑑三が2代目社長に贈ったという「成功の秘訣」と 書かれた手書きの原稿(P200参照)は非常に貴重だと思います。 ビジネスリーダーにはオススメです。
そこを求める人たちの期待通りの満足感はぜひ体験したいものです。 いや、ホント気持ち良さそうで… パウダーご馳走になりたくなることうけ合いです。
この本はビジネスの教科書というより、自立した個人になれ、というメッセージ本と受け取った。
・「ビジネスの教科書」というほどまでビジネスの手法に切り込んだ解説や話はない 「ビジネスの教科書」と思って読んだ人には期待はずれの感はあるであろう
・しかし、現在の社会の変化や日本の閉塞感の中での「自立した個人(自ら考え、行動し、責任をとる)」になれ!というメッセージ本と思えばスッと胸に入ってくるものがある。 ・星野リゾート社長との対話や著書の教育改革体験などはその実行例の一つとして読み物としては面白い ・藤原氏を教育改革者として興味を持ちこの本を手に取った人には受け入れやすい内容なのでは。
*ただし、ビジネスから教育現場改革、はては日本の行政体制まで幅広い範囲の話が入っているので、これだ、という大きなメッセージがつかみにくく☆三つとした
リゾート施設の整備は、人々の関係づくり、従業員のマインドの問題が最も大きいことを学べます。 観光の究極のテーマを解決する主人公の合理的で大胆な考え方と行動が冴えています。 マーケティングとプランニングの基本も理解できます。
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