ミラちゃんやサギリが可愛くて可愛いくてもう(笑) 周りのキャラクターもいい味出してるし(笑) 和みながら読んでました。満足。
ただミステリーを期待するとすかされると思うし 何といっても多種多様な魅力的なキャラクター達が なんか出て来ては消えたってイメージで残念。 上手く活きてないんじゃなかろうかって気がする。勿体なさすぎ。
タイトルの通りミラやサギリが魅力的で大好きだったから、 もっともっと熱く深く絡んでほしかったよ…
しかし他の作品も読みたいから買おうと思いました。 特にミラちゃんの大学生編もあるのね…期待。
これまで青春小説というカテゴリに括られるものの中で、これほどまでに楽しく、愉快な作品があっただろうか? 正に、抱腹絶倒というのはこの小説の感想に相応しいセリフだ。 私がこの本に出合ったのは、かれこれ20年ぐらい前になる。当時、何かの雑誌の書評欄に紹介されていて、それがもう本当に興味を引くものだった。もともと私は青春小説というものにシビアな目を向けていて、やたら爽やかな高校生の、度を越した友情物語にはやや懐疑的だった。あまりにキレイ過ぎる青春は、反って胡散臭く、最後まで読む気にもなれないからだ。 しかしだからと言って、女子高生の援交や、望まない妊娠を扱ったものは、あまりに生々し過ぎて読後の後味が悪い。そんなふうに一々考えていたら、結局自分は基本的に青春小説が苦手なのではなかろうかと、いつの間にか食指が動かなくなっていった。 そんな時、『青春デンデケデケデケ』と出合ってしまったのだから、思いっきりハマってしまったのもムリはない。 青春とは、(当事者こそ気づいていないが)とにかく滑稽なものだ。これは断言できる。つまらないことを打算抜きで大真面目に取り組んだりするし、いっちょまえに苦悩したりする。本当に厄介で、愚かしいものかもしれない。 だがそれでこそ青春とも言える。青春とはそういうものなのだ。
話はこうだ。舞台は香川県観音寺町。観音寺第一高校1年の藤原竹良は、洋楽ロックにハマっていた。 バンドを組んで、デンデケデケデケとギターをかき鳴らしたくてうずうずしていた。 さっそくメンバー集めに取り掛かった。まずは魚屋の跡取りである白井清一、それに浄泉寺というお寺の息子の合田富士男、練り物製造業の息子である岡下巧と、言い出しっぺの藤原竹良の計4名だ。 こうして4人は、ロッキング・ホースメンというバンド名をつけ、始動する。まずは高価な楽器を購入するところからだが、金がない。竹良と白井は、富士男の斡旋でアルバイトを始めることにした。 その後、メンバーが2年に進級すると、谷口静夫という風変わりな仲間が加わる。と言ってもメンバーではなく、バンドのマネージャー的存在として活躍するのだった。
この物語の何とも言えない味わいは、やはりセリフが全て讃岐弁で交わされているところにあるかもしれない。生き生きとした鮮やかな生命力を感じるのだ。そして、平凡な男子高生のはずなのに、それぞれ持ち味があって輝いている。 お腹を抱えてゲラゲラ笑ってしまう場面がある。それは、イケメンの白井に引地めぐみという女子が、半ばストーカーのように追い回す、というか恋焦がれてじっと白井の店の前に佇むというくだりだ。 めぐみは寺の跡取り息子の富士男に相談しているので、バンドのメンバー皆に筒抜け。困り果てている白井を見るに見かねて竹良が富士男と話し合うのだ。
「とにかく、なんとかならんのかい? あのままじゃ白井はとり殺されてしまうが」 「わかった。わしから引地に言うてかす」 「言うてかしようがあるんか? あのタイプの女が思いつめたら結局はやりたいようにやるんじゃろ?」 「わしぐらい徳の高い坊さんが言うてかしたら聞こでは。そんでもあかなんだら、白井を裸にして水で般若心経を書いてやる」 「まるで耳無し芳一じゃの」 「耳でなしにあそこだけ書き落としたりして」 「ちぎられてしまうが」 「チン無し清一じゃの、うわっはっは」
と、こんな具合に愉快な会話があちこちに散らばっている。 ちょっと小説から離れている方にも、この作品ならすぐに読書のカンを取り戻せるし、何よりおもしろい! 60年代の、四国の田舎町でくり広げられる男子高生たちの青春が、鮮やかによみがえる。 お腹がよじれるほどのおもしろさだ。おすすめの一冊。
1993年に出た単行本の文庫化。
『青春デンデケデケデケ』につづく第2作。
目線を変えようという意図で、女性からの視点で語られた物語になっている。それなりの成功と思う。彼女を狙って(?)集まってくる男たち、女性同士の友情などが描かれ、新鮮だった。男女の仲の難しさと素晴らしさを伝えてくれる話だと思うが、やっぱり結末がオープンエンドなので、なんとなく収まりが悪い。 いつもながらのとぼけた味、会話は良かった。
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