ミラーのクリサリス時代の7枚を完全収録したコンピ。 一部にリマスターされた楽曲やボートラを含んでいます。
1stにはブリンズレーの面々もバックで参加していて パブ・ロックの色調が濃いですが、基本的に良質の R&B、Blue-Eyed Soulで占められています。
1stのOnce In A Blue Moonから7枚目のEasy Moneyまで(基本的に)アルバムの 曲順そのままに収められていて、スタイルの変化を楽しめます。
声質はロッド・スチュワートやポール・ロジャース似でサウンドは フェイセスに最も近いかと。
レノンのジェラス・ガイのタフでソウルフルなカバーも聴けます。
先述の2人やスティーヴ・マリオットにも引けを取らない 歌唱力の持ち主なのに過小評価されていますので、これ をきっかけに多くの人に聴いて欲しい。
Faces、Free、C.C.R.といったアーシーなロックが 好きな方には必ず刺さります。
77年発表の4th。新たにフルハウスというグループを従えて発表された作品。ゲストととしてクリス・スペディング、ラビット、メンティス・ホーンズ、プロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカーが参加している。1.はアンディ・フレイザーの曲、13.はジョンレノン、14.はスティーラー・スパン(!)のメンバーの曲であり、彼らがオーケストラ・アレンジも担当している。15.と16.もカヴァーとなっており、彼の作品の中では他人の曲が多いのが特徴。また前作発表後に行なわれたプロコル・ハルムとのジョイント・コンサートの成功もあってか、18.はロビン・トロワーとミラーとの共作となっている。このアルバムはいきなりフリーそのもののロック・ナンバー1.でもう決まりかと思う。フリーのバックにメンフィス・ホーンが付いた・・・そんな感じ。2.はライトなソウル・ナンバー、で一度聞いたら頭からメロディがしばらく取れないポップ曲。クリス・トーマスのプロデュースということもあるだろうが、今までの作品と比べるとかなり雰囲気が違い、強く英国臭を感じる。そう言えば、ブライアン・フェリーもジェラス・ガイをカヴァーしているが、この曲には微妙にロキシーっぽい雰囲気も漂っている気がする。いわゆるブリティシュ・サウンドにメイクされたミラーもまた一興。どちらにしても傑作アルバムであることには違いない。
じつは西部劇の大ファンだ。その映画音楽も、かっこいい曲、しっとりしたメロディーが多いので、大好きだ。だが、レコードにはいつもがっかりさせられる。そのほとんどが、レコード会社のオリジナルオケでの再演奏、再録音ばかり。編曲が雑だったり、日本のムード歌謡みたいに下品で安っぽかったり。わくわくした気分で画面を引き立てた、あの名曲たちとは似ても似つかない。
ところが、これは、驚いた。もともとの映画のオリジナル音源がほとんど。著作権の始末のノウハウがうまく確立されたのか、ローハイドでも、マリリン・モンローやエルビス・プレスリー、ドリス・デイでも、オリジナルの本人の声。まして、オーケストラものも、映画で使った本物が多い。(「愛しのクレメンタイン」がビング・クロスビーだったり、「駅馬車」がジェリー・ゴールドスミスだったり、「グリーン・スリーブス」がマントヴァーニだったりするのは、御愛敬。それでも、おそらく現時点で入手可能な録音では、最善の、マニアっぽい良いキャスティングだ。)
もちろん、古い作品が多いから、モノラルだったり、多少、音質が悪いものも混ざってはいる。だが、2枚組、全32曲。『荒野の七人』はもちろん、マカロニの『続夕日のガンマン』やコメディの『腰抜け二丁拳銃』まで、有名どころは、ほぼ網羅されている。
正直、映画は著作権が複雑だから、こんなのが、いつまでも売っているとは思えない。再発もありえないだろう。これは、米国アマゾンにも出ていないアジア製のCDだ。買うなら売っているうちだろうな。あ、『黄色いリボン』のDVDも、おまけでついてます。
|