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新訂 緑茶の事典 用語辞典。
巻頭に、茶葉の名前とお茶に出した茶碗での色の見本があるのがうれしい。
出典などの参考文献も充実。

ハゲタカ2(上) (講談社文庫) デビュー作「ハゲタカ」の続編に位置づけられる作品で、登場人物の多くも重なっている。題名のとおり、企業買収をテーマとした小説である。「ハゲタカ」を読んだ人にとっては、スッと入り込めると思うが、逆に、「ハゲタカ」を読んでいない人にとっては、経緯がつかめない部分が多いかもしれない。「ハゲタカ」が良質の金融小説だっただけに、それと比べてしまうと金融関係の描写がちょっと粗くなっている印象をぬぐえないが、一方で、登場人物間の人間関係の描写は「ハゲタカ」よりも滑らかになっているという印象。ハードカバー2巻のコストパフォーマンスの観点からは、ちょっと分が悪いか。
桜田門外ノ変【DVD】 吉村昭氏の歴史小説が原作で、桜田門外の変を指揮した関鉄之介を中心に水戸側からこの事件を追っています。
歴史家の方の話を聞きますと、この事件は記録と目撃者が非常に揃っていて、資料としては実に詳しく残されているということでした。
映画を見ての感想は、恐らく歴史好きの方向きではないかと思います。
桜田門外の変が、何故起きたのか、その後関わった人たちはどうなったのかを映像化しているからです。
ただ、井伊直弼襲撃の場面は、劇的効果を狙った脚色したものになっています。
江戸城登城は、映画の中でも語っていますが、厳しい定めがあり、藩の格によって詳細に決められていて順番も決まっていました。
そのため、登城日の桜田門近辺は行列が続いて大変な賑わいになります。
この行列は江戸の名物となっていて大勢の見物客が御座を敷いて見守っているような有様であったそうです。
庶民達は、軍艦片手に各藩を見比べて、あれこれ批評するのを楽しみにしていたようです。
現代からでも想像できる風景です。
桜田門外の変は、そういう衆人環視の下で、白昼堂々と一瞬にして起きた首相(大老)暗殺事件でした。
これが如何ほどの衝撃であったか。
彦根藩警護側は殆ど為す術もなく、藩主の首を奪われます。
さらに、他藩はいつもと変わらず登城を済ませます。
幕府、彦根藩側は、通勤途上災害によるケガと偽りますが、あっという間に知れ渡り、幕府の威信は著しく貶められました。
井伊直弼の首に関するエピソードはあまり描かれていませんでしたが、滑稽ともいえる繕い方をします。
しかし、この事件に加わった18人の浪士の大部分は検挙されますので、当時の警察力は相当高かったとも言えます。
このあたりを見ながら、今の日本は幕末に近い状況なのではないかという気持ちを強くしました。
先ごろ、MADE IN JAPAN の代表ともいえるパナソニック、ソニー、シャープといった企業が巨額の赤字決算を発表しました。
政府は自民党から民主党に変わっても何一つ前に進みません。
その一方で、地方自治体に改革者が登場し始めました。
桜田門外の変が起きた頃は、後の維新の第一幕と言いますか、水戸、薩摩、福井藩主達による国政改革の望みが消えかけた頃でしょう。
300年近く続いた太平の世は、教養、文化、貨幣経済などを育て上げるのに貢献しましたが、同時に保守層を厚くしたと思われます。
世論を変えるには、攘夷という激しいイデオロギーとそれに殉じる人々が欠かせなかったことと思います。
映画は、割合淡白な作り方で、逆に見ているうちにいろいろと考えさせてくれる作品でした。

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