このアニメは難解なストーリーだといわれていて、その難解さ故に不当に作品の評価を貶められている(らしい)が、大事なところはそこではないし、なんてことはない、これは「恋」と「SF」を中心に据えた物語なのだ。
人は人を好きになって恋に落ちる。少年と少女の恋愛、それがSF的な設定を通して描かれている。「ロボット」「時」「血」「世界」、それまでのアニメーションのどこかでみた「要素」が作り手の想いと技術をのせて事細かに作られ「調律」されてゆく。
そして登場する人それぞれに物語があって、一人の人間として描かれる。彼・彼女らには世界を調律、再構成するための物語上に必要な単なる「要素」として以上に人間らしさが吹き込まれている。キャラクターという要素を人間に昇華させ物語を調律した。それ故にこのラーゼフォンという物語は傑作なのだ。
これらは脚本であったり、演出であったり、作画であったり、演技であったりと、優れた作り手により一つの解として再構成されたアニメーションであり、また彼らの手を離れてもひとつの作品としての完成度は高い。
そうそう「調律」の概念のある通り、この物語では「音」がキーにもなっている。題名に「フォン」とあることからそれは明らかなのだが、たとえば劇伴のジャズをベースにした表現の仕方、これらは単なるオーケストレーション的高尚さよりもどこか人間的で、また劇伴作曲者自らがキャラクターを、人間を、その艶やかな「声」を通じて演じているところもとても面白かったりする。
ラーゼフォンはDVDで見たのですが、印象に残っている音楽の多い作品でした。 このCDBOXはほぼ全体像をつかむことができます。ということは、おそらく多くの人には、意外な音楽であるということです。見ていないと、Jazz的音楽、noise的な作、ヒンデミット的なトーンのもの、ダッタン人の踊り、など多種多様な音楽がありますが、作曲者のカラーで統一されているので、実は逆に安心して聞くことができます。逆に言うと自分の気に入る音楽が必ずあると言っていいと思います。わたしは、好きなものだけをMDに落として(box全体でMD1枚程度の分量です)聞いていますが、時期が変わると、別な曲が聴きたくなり、結局CDを車に持ち込む様になりました。ラーゼフォンを見て、気になる音楽が1つでもあったら聞いてみると良いでしょう、自分が気がついていなかったシーンの音楽に気づくと思いますので、真の意味での音楽のリテラシーが身に付きます。
ベスト盤とOST1ではカトゥンのさだめのヴォーカルトラックが違うのですね。こちらの方がママンの情念がこもってる気がして切なくなります。アニメ本編ではヘッドホン越しでしか聞こえなかったカトゥンのさだめですが、非常に重要かつ美しい曲です。ぜひ聞き比べてみてください。
これはテレビアニメ版のノベライズですが本編とはまた違った感覚でよめ てヨカッタです。 小説ではテレビアニメでは感じ取ることができないところまで感じられ ラーゼフォンという世界観をよりいっそう深められました。 ほかの人と同じようなレビューですがこの作品はお勧めです。 本を読むのが好きな人には結構いいと思いますよ☆ v(^^)v
深夜テレビでの放送を何度か観ていたのですが、 続けてみることができず、ずっと気になっていた作品でした。
当時ハヤリの伏線張りまくりの内容もぐっと来ましたが、 マグリッドの絵を象徴的(効果的)に使用していたり、 綿密で手抜きのないデザイン(造形だけでなく、色の使い方に意味を持たせたり等)によって まるで絵画のような作品にしようという意気込みが感じられ 隅々までジっと(何回も)観てしまいました。
本編をみた後に「劇場版」を観たのですが、こちらは編集の上手さにびっくりです。
まだ観ていない方は絶対損はしませんので是非!
それにしても菅野よう子さんの楽曲は素晴らしいです。(耳に残ります。)
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