クラシックが大好きというわけではないのですが、ノクターンが聞きたくなってCDを探していたところ、安価だったこともあり購入しました。 メインは、車内で聞くので、音質などには不満ありません。 ちょっと聞きたいという時にワンコインで買えるこのCDはおすすめできます。
ケンプの愛弟子でトルコ出身のイディル・ビレットはNaxosを中心にレコーディングをしているためメジャー・レーベルで活躍しているスター・ピアニスト達に比べ低く評価されがちですが実力は彼らと同等、もしくは上回っているかもしれません。 彼女の得意とするラフマニノフを演奏したこのアルバムでは驚異的集中力で難曲を制覇しています。「ピアノ・ソナタ第2番」も素晴しいですが、あまり録音されることの無い「コレルリ主題による変奏曲」が凄まじいです。各変奏ごとに表情やニュアンスを使い分けるテクニックは彼女と同年代のピアニストの中では比類ありません。「楽興の時」も期待どうりの演奏です。
最初からこっちを出してほしかった・・・という意見には同感ですが、その前にお値段が高過ぎですね。この内容だと1980円BOXと同じくらいな気がします(といってもそのようなものは買ったことがありませんが…)。まあ、相棒ファンということもあり揃えてはいますが、ジャケットが右京さんではなければ買いませんな。帯に入門CDとしても最高の1枚とありますが、入門の方であれば廉価CDで十分と思われます。コレクションアイテムですね。
音質もクリアで、曲が短くカットされてるわけでもないが、曲目が不満だ。入門者にはきついかも。CD1は、曲目が良く聞ける。しかし、その他のCD2〜CD10は、聞いたことのある曲が、各CDごと1曲か2曲なので、つまらなかった。曲目がベストでないような気がした。
幻想交響曲というこの曲は、第4楽章、第5楽章と進むにつれ、おどろおどろしい姿になっていくのだが、リストにとって特に編曲したかったものではないだろうか。CDの解説にもあるように、聴衆の面前で、幻想曲のオーケストラの演奏のあと、ピアノ一台で現れたリストはこの曲を弾きこなし、オーケストラよりもより迫力があったらしい。大向うを相手に度肝を抜くような演奏だったのだろう。特に、第五楽章の場面はリストの独壇場。管弦楽が音色を変えながら繰り返し演奏するところなどは、ピアノのあらゆる弾き方を駆使して音色をつけて、変化していくのは見事だ。また、ピアノ版を聞いて、こんなところが曲中にあったのかなと思って、原曲のオーケストラ版を、しっかり比較して聴いてみると、ちゃんとそれがあった!とか全く驚きの編曲である。さてこういう曲を弾くにはビレーというピアニストはきちんと弾いてはいるが、迫力に欠け、面白みも今ひとつという感じだ。シフラとかゲキチあたりだったらどう弾いただろうか?と思う。そういう意味で絶対オススメではないものの、かなり希少価値のある演奏なのである。 幻想フアンにとっては、一度は聴きたいCDであろう。
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