ロッキン・オンでこのEchobellyというバンドが紹介されていて、ヴォーカリストのソニアの愛くるしい笑顔につられてこのCDを購入した。 タイトルの頭文字を並べると"EGO(エゴ)"というのにも、強いメッセージを感じさせられる。 1曲目の"Today Tomorrow Sometime Never"から私のハートはぶち抜かれた。ロッキン・オンで見たソニアの笑顔の裏にある、苦悩や叫びが伝わってくる。イギリスの地で、インド系の裕福かつ厳格な家庭で育てられ自由な外出も許されず、学校では人種差別を受け続けてきたという、彼女の自由を求める声が聞こえてくる。2曲目の"Father, Ruler, King, Computer"にも、支配されたくないという思いが込められている。 悩みや苦しみを乗り越え、希望を持って生きようとする彼女の芯のある歌声と重厚サウンドが妙にマッチしている。 疲れて気分がささくれ立った時、どんな癒し系の音楽よりも、彼らの音が心に染み入った。
当時は、インドからの移民の子どもであるという、 ソニア(Vo)の抑圧された物語と、ルックスの可愛ら しさとのアンバランスさばかり指摘され、このバンド は損をしていたと思う。今聞くと、そのようなテーマ とは関係なく、やっぱり良い。 ライブには一度出かけたが、バンドはひたすらまじ めに演奏し(サイドギターのあの子も)、ソニアはめ ちゃめちゃ歌がうまかった。フロアから「I love you!」 と言われ、「ありがとう、でも私はあなたのことよく 知らないのよ」とまじめに返事をしていたのが可愛か ったなあ。
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