公式では画質に関して技術的に頑張ったが・・・でも・・・というような注意書きがあります。 しかし画質は想像を良い方向で裏切り、特に最終話はもともとフルHD作品なのでは、と思わせるほどの素晴らしい画質を達成しています。 勿論他のレビューでも指摘されているように2話は確かにBD画質とは言えません。が、02年の作品ですし仕方ないです。
廉価版DVDボックスを買って、観て、こちらも買ったのですが、やはり物語は最高です。 ラッカとレキの絶望の声や希望の希求は、何度見ても胸に刺さるような感動を覚える抒情性と詩情性で、近年の作品には皆無の素晴らしさです。 こういった作品がもっと評価され、出来ればもっと「物語」で魅せるアニメが増えることを願って止みません。
アルバム収録の同曲はテレビサイズなのでこちらのサイズよりも短く、さらにこちらにカップリングされている曲はアルバムに収録されていない曲なので、アルバムを買った人でも灰羽ファンの方は是非聞いていただきたい作品です。 何よりカップリングされている曲が本当に素晴らしいので、これを聴くために買っても損はしませんよ。安倍吉俊氏の描き下ろしジャケも綺麗です。
もう「良い」この一言に尽きますね。灰羽見た方なら即買い、見てない方も即買い、と言いたいくらいに良いです。自分としては「feel2」の様な感じですね。ピアノやバイオリン等を主体とし、アコギやパーカッション等を盛り込み、膨らませる曲が多いですね。 灰羽によく出てくる雨、空気、空、風、壁、孤独感といったものを非常に上手く表現していますので、そういう雰囲気が好きという方は購入をお勧めします。 とりあえず、落ち着くのに最適です。日常から精神をずらして日常を見つめる(幽体離脱みたい)なリラックス感を求める方も、是非!
安倍吉俊さんの特集号です。 膨大な安倍吉俊さんへのインタビューや、予備校・大学時代の作品(カラー)、「アフタヌーン」でのでの四季賞受賞作品などが収録されており、「よくぞこれだけの素材を集めた!」と言いたくなる、満足のボリュームです。 安倍吉俊さんのファンなら持っておきたい一冊だと思います。
どこか懐かしい街並み、人々が忘れたものが残されているような風景。グリと呼ばれる壁に囲まれたその街には、人間とともに灰羽という翼の生えた人々が暮らしている。過去の一切の記憶を忘れて、繭の中から生まれてくる灰羽たち。ある春の日、繭から灰羽の少女が一人生まれ、ラッカと名づけられる…。
lainのキャラクターデザインで知られる安倍吉俊さんが同人誌に発表した「オールドホームの灰羽達」をアニメ化した作品です。同人誌の内容は1、2話で消化されていますが、その後の全ての脚本を安倍さん自身が手掛け、キャラクター、場面設定等を担当されているので、全編通じて安倍さんの個性が強く打ち出された作品になっています。 ストーリーとしては、グリの街と灰羽の生活をほのぼの描いた前半、灰羽の謎、ラッカとレキの罪と救済が描かれる後半に二分され、雰囲気は大きく異なります。特に後半のストーリーは圧巻で、ここまで深い喪失感と終末感が描かれている作品は珍しいと思います。
アニメの中でも数少ない、文学性を持った作品です。美しい映像と音楽が、物語と寄り添うように溶け合って、確固たる世界観を紡ぎだします。 灰羽やその謎に関する説明は少なく、多くは視聴者の想像に委ねられます。決してすべてにおいて丁寧な作品ではないように思います。前半から後半への展開は急ですし、ラッカとクウの関わりも、もっと時間を割く必要があったと思います。 しかし、それらを上回る感動が最終回にはあります。ラッカとレキというふたりの少女の物語は、荒削りな面もありましたが、本物だけが持つ輝きを秘めた傑作だと思います。
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