プライドをもって生きることは, どんな結果も受け入れる覚悟がいること。 今の世の中には, そういう人は少数派になったと思う。
だけど,そういう人を知ると, 勇気と希望がわいてくる。
一気に読み終えた後, NHKの「プロジェクトX」を見た時と 同じような気持ちになった。 (初期のころの)
ー闘う姿勢を忘れない,同時にプロとしての責任を持つー ー心にプライドをもて!ー
最後のあとがきにあった言葉が心に残った。
さすが真山仁という感じの本。 その圧倒的な取材力や問題提起、先見性などは圧巻であり、普段のニュースの見方を大きく変える。 コラプティオでの産業としての原発の側面や本作のGMOの問題は、新聞を読むときなどに注目してしまう。
昨今の異常気象を体験していると、地球が大丈夫なのかと深く考えてしまう。 そんな中で、農業の在り方や食の重要性を問う本作は、TPPという問題を超えた大きな問題を意識させてくれ、また今後私たち日本人がどのようなことを考えていくべきか、つまり弱小産業としての農業から強気産業としての農業への転換が、今後予想される食糧問題に対しての大きなリスクヘッジになり得るということ、また食料を自国で自給できるということが、将来を俯瞰するうえでとても重要であるということ、を強く感じさせる。 日本の農業の弱さを指摘する声が多く、またTPPなどから守っていこうという勢力が多いが、もっと長いスパンを見て考えていく必要があるということを痛感させられる。
本作は大きな問題提起をしている本であり、普段日本人がなかなか感じない、またはなんとなく知っているけどそこまで問題視していない大きな問題を気付かせてくれる本であり、真山仁のすごさを改めて感じさせてくれるものとなっている。 私は著者の作品がかなり好きであり、ファンであるが、今後も隠れた問題をどんどん提起していってほしいと思うし、私自身、著者の本を購入することなどで応援していきたい。
誰だったか…役者さんが、「WOWOWドラマの現場は映画撮影の雰囲気がして好きだ」と話してた。いつものことだけど、キャスティングに尽きる。主演の尾野真千子さんは勿論だけど、谷原章介さんの起用は秀逸でした。
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