号泣した。 思い切り泣いたら普通すっきりするもんだけど、この映画は違った。 この映画で流した涙は人の心に巣食う恐ろしくて汚い部分をこれでもかとみせつけられ、精神を乱された涙だった。 「人間の持つ愛の力、それをねじふせる人間の残酷さ」 どちらも突きつけられて、本当に心が震えるという感覚だった。 「神様なんていないんだ。これが現実なんだ」 そんな絶望感を突きつけられたような気持ち。 好きな映画ではないけれど、こんな気持ちになった映画は初めてで衝撃的。 ビョークという媒体を借りて、こんな映画を作るなんてラース・フォントリアーと言う人は良い意味でも悪い意味でも恐ろしい監督だ。
ケーブルテレビのムービープラスで観ました。 映画公開時には、前評判と話題性がすごかったのですが、観に行きませんでした。
強烈な映画でした。 見終わってすぐは生理的に拒否感がきました。 なんでこんな映画を見てしまったのだろうと。 ラストの、あまりにも悲しくて、あまりにもリアルな死刑シーン、そしてと死刑執行の後、 事後処理にかかる係員の様子を、嫌悪したからでしょう。 でも、時間がたつにつれて、この映画から受け取ったメッセージを自分がどう消化してい くかに興味がでてきました。
どうして気になるのか。。。
有名な歌手ビョークの歌はうまいと思うが好きなタイプの歌ではない。 ミュージカルも、それほど好きではない。 シングルマザー設定も、映画として好きではない。 ハッピーエンドが好きだから、救いのない話は嫌い。 死刑シーンなんて、観たくない。 貧乏で、苦しくて、どうしようもなくて、なんて、辛気くさい映画をわざわざ観たくない。
でも、気づけば、主人公セルマの苦しい笑顔と優しい泣き顔を思い出す。
「(息子に)必要なのは母親じゃない、目なのよ」
数あるすばらしい台詞の中で、この台詞に心が震えた。 母親には子どもが必要だが、子どもの将来に必要なのは母親じゃない。 なるほどセルマはどうやら身勝手な女だし、無教養で、盲目で、命を粗末にしてい るかもしれないが、何が大切かを知っている。
私には言えるだろうか。 なにもかもシンプルにそぎ落として、最終的に子どもにとって何が大事かを ちゃんと見つけられるだろうか。 命をかけて。
そう他のシーンは他の人がいろいろ論じているから、他の人に任せます。 私はこの一言を聞きたくて、またDVDを観てしまうのです。
私はこの映画が大好きです ただ思ったのは 本当に見る人を選ぶ映画だと言う事 元々 ラース ホーン トリアーという人の映画は この映画があんなに日本でブームになった程 (日本人でこの映画でビョークを知ったという人は かなり多いのじゃないかと思います) 大衆受けをしまくる 映画を作ってはいないと思います 私も奇跡の海と ダンサーインザダーク ドッグヴィルしか見ていないのですが そんなに大衆受けするものでは無いです ただ この主人公のセルマは自分の息子への愛や 自分を非難する人達へも愛があり その愛によって 逆にどんどん追い詰めれていってしまう 世の中の残虐さが 描かれていると思います だけど 主人公は最後まで世界を愛するのを止めなかった だから この映画は主人公がどんなに周りの人達に追い詰められても 最後がどんな悲惨で陰惨な結果であれ 希望があるのだと思う 最後に「これが最後の歌では無いわ」という言葉があるが この結末が決して最後なわけでは無いと思う この結末を変える事や 結末を悲しいだけで絶望だけで終わらせないのは 今映画を見ている自分達が できる事なんじゃないかと 映画を見ながら思った パルムドールを取ったのも この映画がドッグヴィルの様に 本当に絶望だけが描かれていて その現実を 見せつけられるものでは無く 彼女の生きざまに希望があったからなのじゃないかと思う 絶望で終わらせない力強さが彼女の生き方にあったと思う 見ている方に だから生きなければいけない だからやらなければいけないんだと思わせる様な 強い映画だと思います
この映画がどうしてこんなにも人の心を掻き乱し、そして賛否両論分かれるのか。何度も何度も繰り返し観て(よく自殺しなかったな笑)なんとか自分なりに結論を得ました。 この映画は踏み越えてしまっているんです。つまり、主人公セルマは頭がおかしい、気の狂ってしまった人間なんです。だから、間違った選択を繰り返し、誰の助けも借りず、最後は息子のためにと幸せに死んでいく。 この主人公に「やっぱりお前は馬鹿だ、不幸だ」と誰が言える権利があるでしょうか。 そう、この映画のテーマはそこです。人間の幸せは主観的なものであるなら、自分を幸せだと強固に信じる人間を誰も非難できない。つまり、もしかしたら全ての人間の幸せに意味などないのでは、ということです。とても恐ろしい踏み越えてしまったテーマです。 この映画が、敢えてその恐ろしい問いに挑戦する武器として、想像力の美しさを選んだことに敬服せざるを得ません。ただ、勝利できたかどうかは観る人の判断ですが。 そして、この映画を徹底的に非難する人たちのレビューにこそ、僕は感動を覚えます。そこには、全ての幸せには意味があると信じようとする力強さを感じるからです。それこそが人間の想像力の持つ美しさだと思います。 敢えて踏み越えてまで、この映画を撮った監督に改めて敬意を表したい。
この映画を一言で言うと、「もう2度と観たくないけどもう1度観たい映画」。矛盾してますけど、実際にそんな感じです。
空想と現実の狭間で生きる主人公。悲惨な現実のシーンに思わず目を背けたくなりますが、その現実を忘れさせてくれるような空想シーン。
ミュージカルで魅せてくれます。「こういう表現もあるのか」という感じです。
ただ、気分が落ち込んでいる人がみるとますます気分が落ち込んでしまうと思います。
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