リチャード・ギアのハリウッド版もよかったですが、本家本元の魅力にはかないません。役所広司も竹中直人も海外へ行くと「『shall we ダンス?』の役者か」と言われるとインタビューで言っていましたが、それほどまでに評価の高い作品を日本映画が生み出したことを誇りに思います。 特典映像についてですが、 ●映像で見せる「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」 これは期待したほど面白くはありませんでした。ホームビデオをダラダラと見せられている感じです。 周防監督が書いた著書「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」を読んだ方が、アメリカで受け入れられるように短くカットせざるを得なかった苦労話や監督が行った講演のエピソードなど、現地の空気が伝わってきて、よっぽど面白いです。 ●役所・草刈・竹中のインタビュー 台本を読んで役所広司がつぶやいた言葉に、「役者というのは台本を読んだだけでここまで想像するものなのか」と感動した話など、演技ではシロウトの草刈民代のインタビューが、私達見る者と同じ視点で撮影風景を語ってくれるので面白かったです。 ●「恋の10ダンス」ビデオクリップ 私はこれが一番特典映像らしいお得な映像だと思いました。歌姫ナツコ(清水美砂)が歌う「恋の10ダンス」に合わせて、映画では描かれなかったダンス教室の面々の日常風景が見られます。 本編に入れるはずが編集でカットされた映像なのか、それともエンディングで当初流すつもりの映像だったのかなと思いました。
カリビアーナな曲からBigBand系かと思えば うっとりするトスカーナワルツ、そして聞くだけで 愛に満たされそうな程のPeter GabrielのThe Book Of Love 映画に関しては言わずと知れた日本版リメイクですが このサントラは切り口が全く違います。 映画の予習としても、また、劇場の後でも ピースフルなひとときを是非どうぞ
import商品は初めての利用だったので、到着まで不安な気持ちでいましたが、予想以上に早く到着し、又、安価で手に入れることができ、とても満足しています。
映画監督・周防正行が自作「Shall we ダンス?」のハリウッドでのリメイク版製作の顛末を追ったノンフィクション。前作「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」(太田出版/文春文庫)の続編です。 オリジナル版とリメイク版のストーリー展開を仔細に比べた終盤は秀逸です。日米間のダンスや夫婦をめぐる文化の違いをどのように描きわけているのか、周防監督ならではの比較論は読ませます。 リチャード・ギアが映画の終盤でバラの花を一輪買ってある場所へ出向くというのはリメイク版にのみ登場する場面ですが、著者はこれを「圧倒的にアメリカ映画だった」と評しています。実はこの場面を私も、そして一緒に観にいった友人もポロポロ涙を流しながら見ました。そう、確かにあれはオリジナル版にはない、とってもアメリカ的な美しいシーンでした。 この他にもハリウッド映画が持つ、常時3台のカメラを回すという贅沢な製作体制や、「胸のすくような気持ちよさを覚える」鮮やかな演出振りに、監督は素直に羨ましく思ったり賞賛の言葉を綴ったりしています。 一方で監督はアメリカの横暴ぶりには激しい怒りを向けます。リメイク版はオリジナル版の全英選手権の映像を、無断使用して事後承諾を求めてくるのです。日本映画がハリウッド映画のカットを断りもなく使って事後承諾を求めたりすれば莫大な使用料を請求してくるくせに、その逆は許されるはずがないと、周防監督は本気で怒ります。 ワールド・プレミアで監督と妻・草刈民代が交わした夫婦の会話、そしてオリジナル版の全米公開の端緒を作った交渉人エイミーのスピーチなど、本書は心震わすエピソードが満載です。日米比較論として読むも良し、国を越えた人間同士の心の交流を描いたエッセイとして読むも良し。大変充実した読書体験を与えてくれる一冊です。
周防版オリジナルが好きな人は、見て損しないです。
アメリカで公開直後、「オリジナルの価値を低める超駄作」などと批評家に酷評されたから、 どうかなと心配して見たけど、ぜんぜん大丈夫でした。 スタッフとキャストのオリジナルに対する尊敬が顕著。ギアも監督も、最初はリメイクの話を断ったそうです。 「あれ以上どうしたらいいのか」と思ったから。いい話です。 そんな彼等が作ったのだから、ものすごくオリジナルに忠実。ストーリーはもちろん、カメラアングルにいたるまで。 『ゴジラ』みたいにへんなことにはなっていません。
オリジナルで見てるから、ストーリーの展開は知ってるけど、何度も涙が流れました。 原作版で私たちが流した、あの清らかで熱い涙が、また流れるのです。 人間劇としての骨格がちゃんとできているからでしょう。 真っ白で植物的で猫的だった草刈マドンナに対して、褐色で動物的なJ・ロペスに最初は違和感があったけど、 彼女のダンスのうまさに驚いてからは、感情移入。特にギアと分かりあえた後のダンスはものすごい。 DVDだったら、絶対に何度も見るシーンになるでしょう。ハリウッドはさすがにダンスの見せ方が本場です。 この時にかかる音楽も、低音ブーストですごくセクシー。 竹中直人の役は、ややかっこいい路線になっていて、最後は会社の同僚たちの鼻を明かす設定もある。 ただ、エンディングが、アメリカ特有のファミリー万歳、アイラブ奥さんにべったべたになってしまうのは、 私たちとしてはどうかなと思った。オリジナル版との違いも楽しめるし、とにかくエンジョイできる1本です。
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