多少の校正で手が加えられたとしても、この本は山口百恵の正直な気持ちを綴ったものだと思う。素晴らしい。引退してから一度も芸能界の表舞台に立ったことはない見事な引き際も、この本を読めば納得できる。「自立する女という看板をブラ下げている女性ほど、薄っぺらな感じがしてならない」と歯に衣着せぬ発言は、21歳の若々しさが感じられ、好感が持てる。この本は、彼女が尊敬に値する女性であることや、人が生きる上で大切なことを再認識させてくれた。
一口にbestは色々あるけれど、十分に期待に応えてくれたアルバムです。
先ずは音質に関して。確かに素晴らしいです。かなり直前まで数年前に発売されている安い方を買おうかと思いましたが他の方も絶賛されているこのBlu-Spsec CDにして大正解でした。
山口百恵と楽曲に関して。彼女のような人を“歌姫”と本当は言うのだと実感しました。私は彼女が引退した時はまだ10歳にもなっていませんでしたので楽曲をじっくりと聴くのは今回が初めてですが提供されている楽曲も良いですし、やはりその作詞家&作曲家の“意図(意思)”をしっかり掴んで歌っていると思います。適当な歌詞を鼻歌みたいに歌っている今のアイドル達やいわゆる“トップ・アーティスト”と呼ばれている連中とは同じ音楽とは思えません。ぜひまだ山口百恵未経験の人はこの機会にどうぞ〜!!!
私は山口百恵引退後の生まれなので、歌手・女優としてリアルタイムでの活躍を知りませんでした。三浦友和の奥さんであることは知っていましたが、知識はそれぐらいでした。しかも、このベストテンも記憶がありません。 そんなところに出たのが、このDVDボックスです。評判が基本的によかったので、買ってみることにしました。
まず、MCのふたりのテンポの速さには圧倒されます。時間で動いているのは今も昔も同じなのですが、生番組であの頭の回転力をもってですから、ハンパなレベルではありません。この知的な切り返し力、今の芸能界だったら誰が持っているでしょうか。そして「ヒロイン」の山口百恵。もう圧巻です。若くしてこの気品と風格。この人だからこそ、輝かしいキャリア(その未来も含めて)を簡単に捨てて、ひとりの「女房」に収まる決断もできたと思います。私はこれを見るまで、何一つ彼女の歌を知らなかったのですが、同じ曲が繰り返されるうちに、かなり覚えました。衣装とセットが今とは比べものにならないほど芸術的に高いものだったので、その影響もあるでしょう。昔は歌番組がこんな感じだったんですね。
番組自体が、「トップスターショー 歌ある限り」に代わるものだったので、このDVDでは山口百恵のキャリアの後期しか見ることができないのですが、とりわけ残念なのは、引退の年の初夏以降は「古都」の撮影でスタジオ出演がほとんどかなわず、「ロックンロールウィドウ」に至っては皆無なことでしょうか。この歌の時にどんなセットができたかな・・・。
特典映像にその「トップスターショー」の一部が収録されていますが、こちらはあまり画質は良くないです。でも、これまた全然違う雰囲気のスタジオで歌う山口百恵が見られる他、元アナウンサーにしてはMC力に乏しい二谷英明(元々はジャーナリスト志望だと本人談)とのやりとりも貴重。当時「特捜最前線」1年目、役者としてのライフワークにかかっていた二谷が、「百恵ちゃんは・・・」とは言いながらも、どことなく一歩引いて質問しているようにさえ見えるのが面白いです。それぐらい、彼女には他を寄せ付けない何かがあったのかもしれません。
「さようならの向う側」世代で、これから山口百恵を知ろうとする方には、是非是非オススメです。
わかる良書である。 私は山口百恵より4歳年上で現役時代のファンではあったが、芸能界の事情にはほとんど関心もなく、特に日本テレビとナベプロの確執などほとんど知らなかった。そんな私からすれば知らない事ばかり書かれている画期的な本である。 特に興味深かったのは、日本テレビの井原プロデューサーがピンクレディにレコード大賞(TBS主催)を取らせるための工作の凄まじさである。 ピンクレディのラスベガス公演は井原プロデューサーが企画して日本テレビで放送されたにもかかわらず、そのスタッフはTBSの社員だったのだという。もちろん公然と「賄賂」を渡すための仕掛けである。 その甲斐あって、77年には歌唱賞5人の中からレコード大賞を選ぶという制度が、78年には金賞10人の中からレコード大賞を選ぶという制度に変更された。 これはピンクレディにレコード大賞を取らせるための布石である。 歌唱賞をピンクレディに取らせるのはかなりの無理があるが(別に彼女たちが歌が下手という意味ではない)、金賞なら問題なく取らせることができる。そして予定通りにピンクレディは金賞を取り、レコード大賞もとった。 沢田研二・山口百恵・ピンクレディの三つ巴の戦いの行方をハラハラしながら見守っていた私は、いい面の皮だったわけだ。 では何故井原プロデューサーはそこまでしてピンクレディにレコード大賞を取らせたかったのか? それは本書を読んでのお楽しみ。
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