山上たつひこ氏が最も脂の乗っていた時期だったのではなかろうか。 落語をこよなく愛する氏は一見、支離滅裂でありながらもシニカルで一捻りある笑いを提供してくれていたように思う。 これをくだらないとしか思えない人は山上イズムの理解が足りないだけだろう。 過度のボケキャラとツッコミキャラというギャグ漫画の形態として一つのパターンを築き上げたのもこの漫画だと思う。 後のうる星やつらも完全にこのパターンであり高橋留美子自身、がきデカは影響を受けた作品の一つとして称賛している。 錯乱坊はこまわり君をモチーフにした事も有名だ。
大人が失笑するようなエロギャグを、様々な動物達や見た目オッサンにしか見えない小学生達が演じるがきデカワールド。 漢字もロクに読めない小学校低学年当時、これを見て笑っていたかと思うと大人になった今、空恐ろしくなった位である。
しかし、現在復刻されているものは表現規制により割愛されていたり、編集されているので理解が必要。
大判でも復活に感謝! 初発表時のカラーページがちゃんとカラー印刷されているのは嬉しかったのですが、そのページは黒のスミ線が薄くて、少し残念でした。(最近の印刷技術で再現できないはずはないと思うのですが…) また、全話出すとリスクが高いので「THE BEST」という選集なのでしょうけど、お話がつながっていない部分もあって、そのフォローもなく……編集者の怠慢を感じるので、星1つ減点します。 せっかくの金字塔的作品なのに…。
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