落合氏は名選手にして、いかに名監督になれたのか。それはこの著で語っておられるように、できる、できないの両方がわかるからです。2軍に埋もれていた時期もあれば、打率、打点、本塁打のタイトルを5回ずつ(ご存知のとおり、そのうち3回は同じ年に獲得)、正力賞も殿堂入りも果たしたことがある稀有な経歴だから、エリートの気持ちも、無名時代から這い上がってきた選手の気持ちも理解できるのだ、と。読んでいて、改めて落合氏から勇気を与えられると感じる部分が多い名著だと思います。 曰く、他の球団で同い年の選手の方が早く活躍したら、レギュラーになってからその選手よりも長く活躍すればいい。 曰く、仕事で実績を上げられなかったり、希望の職種に就けなかったり、志望校に合格できずにいる人たちは、負け組ではなく、勝利を目指す道の途中にいる人。 曰く、人生を穏やかに生きていくことには名声も権力も必要ない。 8年間の監督時代は、常に選手の盾となり、すばらしい選手に恵まれたとたびたび仰っていた落合氏。12球団最も低い打率と得点でリーグ優勝できたのは采配力によるところが大きいと皆が言う中、選手をほめてください、私は大したことしてませんと涼しい顔で言ってのけるあたり、こんなかっこいい事言ってみたいな…と敬服していました。 この著書は、落合氏からファンへの直球だと受け止めています。夢をありがとうございます。
とても古い記憶で、ヒロミツさんが司会をしていた頃のNHK「レッツゴー・ヤング」でgエディ藩、bルイズルイス加部、kミッキー吉野(dは覚えてない)等でアニマルズのカバーを特別企画で歌った回があり、偶然見てとても感動した覚えがある。当時、モップスのLPなど影も形もない頃。かろうじて人気ドラマ「夜明けの刑事」(二郎さんが主役で名演、デカ長に石立鉄夫、ヒロミツさんはすっかり俳優も板について刑事役。情のある切ない刑事ドラマだった記憶がある)のエンドテーマを何曲か歌っていて中学生ながらその歌が大好きだったので尚更、もっとロックを歌うヒロミツさんが聴きたかった。近年モップスが再発されているけどあの無常感漂う切ない曲はどうしたんだろう?と思った。モップス調のロックを期待するとびっくりしますが、ボーカリストとしてのヒロミツさんがいかに素晴らしいか充分堪能できる。そこで、東芝EMIにリクエストしたいが、この盤は紙ジャケ限定盤でいずれ品切れ入手不可能になるだろうから、プラケースで再発する際には、「夜明けの刑事」のエンド曲があと2曲はあったはずなので、ぜひボーナストラックで収録して欲しい。とある場所でご本人にお話しする機会があった時「あの曲、覚えてくれてたんですか!」ととても恐縮しながら嬉しそうにサインしてくれた笑顔が私は忘れられない。ご本人はもう歌うことはありません。歌は人に聴かれてこそ価値がある。名ボーカリストの遺産を倉庫に埋もれさせないようどうかよろしくお願いいたします。
にっかつロマンポルノ全盛期に、同社が1年に数度作っていた「一般向け」映画のひとつ。 記憶をたよりに「エロい映画だった」ような思い出をブログに書いていたような方もいますが、主人公が赤線地帯の娘であるゆえに、 この時代ではまだ話題になった「女優のヌード披露」シーンがあるだけで、いかにもおとなしい作品です。
むしろテイストは、ほんのひと昔前の日活青春路線に近いものとも言えるでしょう。 主演の三浦リカも、この物語では春をひさいでいる娘とは思えないポジティヴさを振りまいています。 そのあたりは、もっと醒めた女であった原作を逸脱していますが、これは観客のニーズを反映してのことには違いありません。 でも人物の類型化はロマンポルノに引きずられる形とはいえ、それらの傑作扱いされる作品群より退いているのはたしかでしょう。 ロマンポルノをも撮った武田一成作品であるのだから、あるいは一般向けという免罪符ぬきでも真に迫った男女のありようを撮ってほしかった。 そのあたりは残念です。
三浦リカはまだ初々しい魅力を放っているほか、上映当時を匂わせる数々の俳優たちの登場には胸を躍らされます。 また、売春窟という今では地獄のようにしか語られない場に人間味をおおいに加味したことは、やはり今とあっては慧眼と見られるべきでしょう。 一見の価値はあります。
当時、モップスの人気はイマイチだった。拓郎や陽水のカバーバンドだと思って見向きもしなかったが、曲を聴いて見るとうーーんと唸ってしまうくらいに格好が良かった。オリジナルの曲よりもとても格好良く、アマバンドをしていた僕達は、今度はモップスのカバーをするように成った。今でこそ鈴木ひろみつは、コメデイアンのようなタレントに成っているが、とても声量の有る、しかし格好良いとは言えなかったが、素晴らしいボーカルだった。現在、カラオケにモップスの曲は無いが、有れば格好良く歌えるのになあと思う今日この頃です。
なぜこれほどの名作がDVD化すらされず放置されているのか? 文化庁もヘンテコな映画ごっこに助成金出すくらいなら、 こういう秀作をDVD化して世に出す財団の一つでも作ってほしいものだ。
本作は、旧JR東海バスの運転手が愛知から北陸までの街道沿いに、 自腹で一本一本、命を賭して桜を植樹していった実話をもとにしている。 (今なら十分懲戒解雇に値するのだが)
神山監督渾身の作品かつ俳優・篠田三郎畢竟の名作。
お願いですから、埋もれさせないでください。
|