自民石破氏の魂を知る一冊。 個人的には原発に関する見解とTPPに関する見解を知りたくて購入しました。 石破氏なりの哲学が発揮されていて、良い本だと思いました。
国民の生命や財産を守るのは国家の責務。それを憲法が阻むのなら憲法のほうが間違っている!と帯にも書いてあるので、頼むぞ石破!頼むぞ自民党!という内容ではありません(全くそうではないと言えばウソになりますが)。なぜなら国民主権を謳っている憲法ですから改正する権限は国民にあるからです。 諸国民の公正と信義を信じ皇室の地位を曖昧にし交戦権を否定し軍事力を保有しない国家の為にも国民の為にもならない憲法を廃し、皇室を中心とした悠久の歴史を持つ自分達の国を自分達で守れる憲法に改正する為にも、国民一人一人が主権者として国家をどうすべきかを真剣に考えて憲法改正に向けて投票する事が求められています。簡単に国民投票とは言いますが、憲法制定権力を持っているのですから、その一票は非常に重いものになるでしょう。
「現実的な防衛を知れば知るほど、骨太な平和主義が必要になります」。
軍事オンチの多い日本の政治家において、異色の防衛通といえる元防衛庁長官石破茂が国防について書いた本。数年前に書かれた本の文庫化なので、内容は古い。防衛省ではなくまだ防衛庁の時代である。ただし、「文庫版によせて」と「文庫版あとがき」が新たに追加されている。
とにかく、ひとつひとつきちんと根拠を示しながら自説を展開しており、とてもロジカルに書かれている点が印象的だった。
国防が票にならない現状。本来は国レベルの政策立案に集中しなければならない国会議員が地方利権の代表者になってしまっていることが国政に影響を及ぼしている点を説明している部分は考えさせられる。また、マスコミも、政治家も、あまりに軍事について知らないために、見当はずれな批判や主張があふれていることを嘆いている。
北朝鮮ミサイル発射の情報は、当時のマスコミ報道では現場からの報告が遅れたとなっていたが、実際は現場からはすぐに情報が上がっていたなどと、舞台裏を明かしているところもある。MD構想は核ミサイルへの抑止力になりうるという説明も行っているし、日本は核を持つべきでないとも述べている。PKOのあり方や意義も、イラクへの自衛隊派遣やインド洋での給油活動を例に取り上げて丁寧に解説している。他国の国防関係者との交流や、各国を訪問したときの様子やそこで学んだこと及び日本の比較も披露している。特に、イスラエル訪問のところは興味深かった。
物足りなかった点もある。政治家という立場を考えると、ソフトパワーや国際的な発言力向上といった、よりマクロ的な視点での国防の在り方や提言についてもさらに書かれてあればよかったと思う。日中戦争当時、中国はアメリカにおいて対日本へのネガティブキャンペーンやロビー活動を積極的に行ったが、日本はこういう方法が昔から得意でないのだ。また、少し古い本なので、中国の脅威や諸島部防衛の在り方についてはあまり書かれていない。
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