全8話で、少しずつかかわりあったり、全くかかわりのなかったりする 6人登場人物それぞれの物語と心情をくりぬいて描いていく。短編集に近い感じの作品。 個人的によかったのは、3,4話の「小島さき」の話。 母子家庭で小5になる「さき」は甲斐甲斐しく病気の母親の面倒をみる。世話をしに来てくれる未婚の「せっちゃん伯母さん」は、「さき」に自分の子供の役割を暗に期待するが、「さき」の親子をしたい気持ちは自分の母親に向かっていく。しかし重病と、その性格から母親の役目を果たさない母親。それでも抱き続ける「さき」の淡い希望を打ち消すようにまとわりつく病の「におい」… 3人それぞれの思いとやさしさが、寄り添おうとし、しかし悲しくすれ違う。 多くの漫画では描くことを諦められている人の微妙な心の動きを、筆者が苦労しながらもなんとかして捕まえようとしているところが嬉しい。ただそれが失敗しているところでは、「何がいいたいのかわからない」になってしまうけど…そこはこれからの成長に期待!ということで☆4つです。
小学校四年生の少女・伊倉きらは、10歳の夏に学校のプールの授業で臨時教員の通称・赤パン先生こと鮎川に対してかつて感じたことのないときめきを覚えた。
思春期の入口に立つきらが日々体験する出来事。 そして、きらの年の離れた姉・庸子は中学校の国語教師。妹に水泳を教える鮎川と書店で出会い惹かれていく。 年の離れた姉妹が同じ人を好きになっていることをお互いはまだ知らない。
看板作品の 「テルマエ・ロマエ」 「放浪息子」 が終了してしまった「月刊ビーム」で敢えて私がオススメするとしたらこの漫画だろう。
しかし中身はそうでもない。はっきりいって衝撃を受けた。何か伝えたいメッセージとか、教訓とかそういうんじゃなくて、一つ一つの情景が懐かしく、そして身につまされるような感じがしてあっという間に読んでしまいました。自分の中の風景を大切にしている人で、これからもこういう作風を大事にしていって欲しいなと思います。才能とイメージ溢れる作品。これから伸びるか、それとも今ひとつ伸び悩むか、楽しみです。
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