アートブックを専門とする独タッシェン社のカタログ中、おそらく一二を争うロングセラー書籍。1990年の初版から度々版を重ねており、この2006年版は同社の25周年を記念する「タッシェン25」シリーズ中の一冊として、新たに複数の原語版が制作されている。 一時期に縮刷されていた判型も初版のそれに戻り、このハードカバー版で気軽に入手できる価格設定も嬉しい。
著者のマグダレーナ・ドロステはベルリンにあるバウハウス・アーカイヴに学芸員として勤務。数々の企画展に関わり、バウハウスから派生した工業デザインについてもいくつか著書がある人だ。 本書にもその経験と知識は十全に生かされており、15年にわたるバウハウスの運動を「人とモノと社会」の関わりとして綴っている。
全256ページというヴォリュームはこの種の書籍として「厚過ぎず・薄過ぎず」というところだが、ことバウハウスを俯瞰するには決して充分とは言えない。この教育機関の持つ多面性について、また背景の歴史や制作された作品と後世への影響、そして多彩な人物像にも迫れば、やはり二倍以上の紙幅が必要だろう。
本書もやはりダイジェスト的ではあるものの、著者の視点は常に客観的で目配りがゆきとどき、この「表現主義と合理主義の迷宮」の見所を漏らすことなく、しかも最短距離で案内してくれる。いわば超ベテランのツアコンが引率するバウハウスツアーの趣き。 テキストも整然と読みやすく、英国人のような捻った言い回しが無いためすらすらと読める。編集デザインも含め、いかにもドイツ的、というより「すぐれてバウハウス的」な書籍である。図版なども選り抜かれているが豊富ではないので、できれば他の書籍(Bauhaus 1919-1933: Workshops for Modernityなど)と併せて手元に置くことをお勧めしたい。
なお購入後に気づいたのだが、本書は日本語版も刊行されている。手元にあるタッシェンジャパンの書籍に照らせば、翻訳は質が高く信頼に足る(本書の内容では和文書体の「たたずまいの異質さ」が気になるところだが、そこに美を求めるならこの英語版よりも独語版を、ということになる)。 その日本語版は版元消滅のため市場在庫のみ、新品で入手したい向きは早めの購入を。
このDVDは買って損は無いと思います。私は再結成ライブを見に行ったのですが内容もほぼ同じで良かった。バウハウスは音もイイですが何より映像で見るべきバンドだと思います。オープニングの演出のカッコ良さがたまりません。日本のバンドのBOOWY.BACK TICKなんかは完全にパクってるんじゃないでしょうか。やっぱり本家はカッコイイ!!以前にこのビデオを買ったのですが友達に借りパクされたためDVDを買い直すハメになりましたが…なんなら両方持ってても損じゃないでしょう!! エンディングロールの『Passenger』は、最後まで聞かせて欲しかった。。。
本書の内容は入門的ではなくかなりマニアックです。したがって、バウハウスに関してある程度の知識のある人向けの本と思われます。前著「バウハウス」の補記といったところか。ヴァルター・グロピウス(1919-1928)、ハンネス・マイヤー(1928-1930)、ミース・ファン・デル・ローエ(1930-1933)というバウハウスの歴代校長の教育理念が事細かに記されています。訳文は若干読みにくい箇所がありました。
以前、藝大美術館で行われたバウハウス展に行った時に買いそびれたものを、数年越しに購入。 当時値段から躊躇したのだが、先日友人宅で見て、やっぱり欲しいと思い買いました。 やっぱり図録はその場で買わないとダメですね。でも、便利な時代になったものです。 当時買いそびれたひとは是非。
リアルタイムで聴いてたオッサンなんだが・・・ このレビューを読んでるアナタ!年寄りでないならどこでバウハウスを知ったの?かなりセンスある人だな。 何をレビューするのって、バウハウスの名に引き寄せられ、これを読んでるアナタに一曲一曲の説明など不要だろう。 ポジパン、ポストパンク、ゴス、(当時の)オルタナ、全てひっくるめたモノがここに有る。 バウハウスがやってた音楽は、カテゴライズ不可能な「bauhaus music」だった。 この一枚はバウハウスのアルバムの中で、ある意味"一番安定"しているのかも知れない。その深意はアナタには解って貰えると思う。 個人的見解だが、1stは荒削りな面も見えたがこのアルバムは巧く纏まっている。 とは言え、1stのパンク的要素が薄れている訳ではなく、パンク上がりの俺にも納得の作品。 2トラック目なんて誰が聞いても納得するでしょ。 単純にリリース順ではなく、彼らの作品の中で起承転結の“承”に当たる作品。
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