大げさではなく、私の人生、転換期をいくつか挙げるとすれば、カブトボーグ鑑賞前、 鑑賞後に分けられる。
鑑賞前は感動モノのアニメ、映画を観れば普通の感性で心が震えたし、涙も流すことが 出来た。名作と呼ばれるゲームをやってもしかり。
だが、本作鑑賞後、もうまともな感性はなくなってしまったが、それだけならまだいい、 もはやまともに他のアニメ、映画を観れなくなってしまったし、ゲームも出来なくなった。 登場人物の名前も覚えられなくなった。 映画館ですすり泣く声が聞こえるシーンでも、一人爆笑している自分がいるし、恋人 と死に別れる映画を観ても「復活まだ?」としか思わなくなってしまった。 ホラー映画を観ても本作の不条理の方が遥かに怖ろしいし、恋愛ゲームやっても 女の子は全部使い捨てにしか見えない。 皆で感動を共有し、語り合うことすらできなくなってしまった。
その代わり、「人生何とかなる、何とかならなくともどうにかなる」という妙な悟りが 生まれた。
本作は、人生における不条理、混沌を、作品内においてメタファーで表現するのではなく、 作品そのもの、映像の流れそのもので表現し、強烈に具現化した稀有なアニメだと思う。
私はこの作品に出会えた事に関して後悔していないし、鑑賞前の自分はもういらない。
鑑賞前の方に、是非一言言いたい。 ボーグバトル・・・それは熱きボーグバトラーたちの戦い。 ボーグバトル・・・それは人生の縮図、漢のロマンである!、 と。
毎週欠かさず視聴しておりますが、「天才肌」を常々、感じています。
ストーリー構成、及び脚本展開の「全て」において、定石を完全無視。
このため、話の流れ的に全く先が読めない。
「一体、この後、どうなるんだ?」
と、言う緊張感が30分間、途絶える事無く続く作品です。
・・・正直言いまして、無茶苦茶な作品ではあるんですが、その無茶苦茶振りが完全に
徹底している。
その様な事から、やはり、常人には到底、作成不可能な天才肌の作品だと思えます。
特に「ヤク使ったってこんな脚本は書けない」と称される大和屋暁さんの脚本が見事。
持ち主のエレガントな戦い方が現れた最高級品ですね。 作った職人も素晴らしい。良い仕事をしている。
大人と銘打っても、コンテンツはそこら辺のアニメ雑誌と大して変わらんです。
能書き(評論)が多くて、まあそれが大人好みなんだろうけど、そういう違いなのかなあと肩を落とします。
大人なのに、巷間のアニメだけをピックアップしただけですね。
と、言ってもいいくらいの作品です。
毎回が最終回 はす向かいの店に殴りこみ 成り立たない謎の会話 死んだ登場人物が普通に次の話で出てくる 販促アニメなのに、ボーグをけなす様な数々のシーン なにもかもがぶっ飛んだ脚本
その他たくさん、この作品がテレビ東京枠で放送されるのをテレビ東京が拒否した理由も一話を見ればわかります。
はじめの内は視聴者は普通に置いてけぼり 「こんなものアニメと呼んでもいいのだろうか」 それでも視聴し続け、あげくに違和感無く見ることが出来たら最後。 貴方は完全なるボーグ脳で毎日素振りをしなければ死んでしまう体になるでしょう。 洗脳に近い形ですね。 というか洗脳ですね。
まぁ、基本はズレたギャグアニメと見てもらって良いんじゃないでしょうか。
ネタアニメとしてよく挙げられるアニメですが、たまにめちゃくちゃ熱い話をやってくれてすごく盛り上がれる所もあります。 なによりCGの出来とBGMの完成度は多分放送当時のアニメ群ではピカ一です。 特にBGMの熱さは今でも充分通用します。
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