昔アパートを探していたとき、すごく安い物件があって、不動産屋さんに聞いたら「ああ、そこは事故物件なんでね」といわれてから気になっていました。 やっぱり、表と裏の世界があるんですね。ふつうではなかなか体験できないゾーンをリアルに覗き見することができました。 客観的なシステムの説明だけでなく、実際に借りて住んでみた体験記なので、面白く一気に読めました。
シナリオの骨子となる、妖精の森の衰退と精気の吸収の為の感情の昂揚が必要なこと、大円団ではなく、凛のみを救うことで眠りについた3妖精など話的には秀作であり、多少不自然でも話の展開で乗れる所もあるのだが、所々に不自然さが鼻に衝いた。
曲りなりにもハッピーエンドに持っていく為に悪役である『鹿沢』の存在が邪魔であってデウス・エクス・マキナ(エンディングに唐突に出てきた『鹿沢』の父親(絵なし)が、『凛』の父親(妖精紳士)と同レベルの人間(善人)であり、劣悪な息子を嗜める事ができるのに、『鹿沢』が凛と違いすぎる最低の人格になっている不自然さ。)の登場となるが、こういう人物が最後にのみ出て、それまで何の影響もないのはご都合主義と言える。
単なる余話であるが、裸の大将の芦屋雁之助張りの『磯部』(何故か主に突っ込み)と「僕様」と自分を呼ぶ『征矢野』(強気ボケ)、ホンワカしながらきつい所ありの『真琴』に主人公が加わった『オカ研』のコメディー(これらの存在も不自然ではあるが、のった状態であれば世界観として納得できる)は面白い。
ハーレムシナリオが多少強引に感じるが、まあ欲しいし、なければ納得できない。
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