タイトルはセンスがいいなと思ったんですけど、文章はもうひとつです。 短いエッセイ集なんですが、ものすごい野望とヤル気は宣言しまくっているけれども、文章がそれに追いつけてない感じです。「人にわかってもらう小説を書く気はさらさらない」などと言いながら、ずーっと後の方で「何で売れないのか」「読者にわかってもらえない」とか書いているんですよ。これは大いなる矛盾です。そりゃないわ、とガックリきました。 若い女性らしいフラジャイルさと野望を秘めた太さが同居していて、共感できる内容のエッセイもあったのですが、果たしてこれからそれだけでやっていけるのか。がんばってほしい。 あと、申し訳ないですが、作者は表紙に写真を載せられるほどの美人ではないと思います。
この小説がもてはやされるということは、恋愛について現代は随分軽いんだなぁ〜ということか。不倫と言う「修羅場」にあっても誰も声を荒げることなく、セックスはしても、気持をストレートにぶつけることもなく、別れにあたっても淡々と疎遠になっていく。
こうした経過をたどる恋愛を経験した人は、ものすごい大勢いそうだ。
感情表現が下手で、本音をどこにも(もしかしたら自分すら本音がわかっていないかも)明かすことなく、自分の殻のなかで人を傷つけることも自分が傷つくことも恐れている。 彼らはどこへ行くのだろう?人生終焉のとき、何を思うのだろう?
映画では永作博美が主演したと言うことで、なにか「ほんわか」さを漂わせているようだが、本を読む限りでは薄ら寒い印象だった。この本を読むのには、既に私は年を取りすぎたのだろうか?
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