マキノ雅弘監督の自伝『映画渡世』を読み、その内容に感動してマキノ作品を探してました。その中で長谷川伸シリーズに出会いました。本シリーズで、マキノさんは監督として数点にしか関わってませんでしたが、どの作品も出来が良かったです。 脚本はもちろんのこと、キャスト、スタッフも一流揃いでドラマを盛り上げています。渡世人や庶民を描いた作品ばかりで、厳しい状況を生きている人を中心に話が進みます。昔の時代劇は、キチンと人間の心を描いていると思います。一見の価値ありです。
NHKのBSで放映されていたのを何気なく見たが意外といい作品だった。
中村錦之助が演じる「関の彌太ッぺ」は堅気ではなく、博打で飯を食っているような男だが、生き別れの妹を捜して旅から旅を続けている。そんな彼が昔の妹を思わせる少女を救って、親戚のところへ送り届けるところから物語は始まる。
ところが肝心な妹は死んでいることがわかり、10年後の彌太ッぺは助っ人稼業で平気で人を殺すような荒んだ生活を送っている。そんな彌太ッぺが10年前に助けた少女に巡り会う。少女は美しい娘に成長している。
ストーリー展開はある程度読めてしまうところはあるが、この単純だが心暖まるストーリーが大人気であった時代が日本には確かに存在したのだ。このようなジャンルの映画は現代では作られないだろうし、作られてもうけないと思うが、いざ見てみるとなかなかいいし、これからも見返す価値はあると思う。
過去の小林氏の作品を知らなくても十分に面白いが、知っていればさらに楽しめます。主人公を演じるのは柔道部物語の三五十五。一巻完結で読書後の後味がさわやかな作品。背景、細部までの書き込みも丁寧で美しい。小林氏独特の笑いもあちらこちらにあります。万人に受けるかは解らないが、娯楽はこうあるべきだなっと納得してしまった。人情あり、男気あり、チャンバラあり、笑いあり、涙あり・・・・これって昔のテレビドラマの時代劇そのものを漫画にしてしまった。台詞もカッコイイよ。
徳川時代から明治初期に至る敵討ちの実話を十三篇揃えたものだが、その文章は彫琢され、極上のものとなっている。文学史の上でもっと正当に評価されるべきものである。昔は、時代小説、歴史小説の作家というのは、生半可な学者以上の勉強をしたものだということが分かる。それを思えば、昨今の時代小説書きの堕落は目を覆うばかりである。 小谷野敦
瞼の母、沓掛の時次郎、番場の忠太郎、一本刀土俵入り、聞いたことがあり、少しは知っているけど、ちゃんと読んだことはない、これらの作品は文庫などはほとんど入手困難になっている。この3冊の長谷川伸選集は値段も手ごろで、代表作が網羅されている(長編除く)。よほどディープなファンでなければ、この第1巻だけで充分に長谷川伸通。 以前、ラジオのオールナイトニッポンのあとに放送されていたと記憶する「おはよう名作劇場」(?)でつい聞いて、うっかり感動してしまったことが思い起こされ る。(わかるかなあ)
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