歳を重ねるごとに“いぶし銀”の魅力の財津和夫ワールドにひかれ購入しました。 音質に多少気になる点はありましたが、CDの内容にはとても満足していました。 しか〜し、車でも楽しもうとカーナビに入力したところこのCDには何故かタイトル情報が入っておらず表示されませんでした。 海賊盤でもあるまいし???です。
私はSHM-CD化された事よりも歴代シングルA面の曲だけにターゲットを絞った事と発売順に完全収録された事を高く評価したいと思います。私の場合は1994年にリリースされた3枚組のシングルA面&B面ベストしか持っていませんので比較するには極端かもしれませんが 音圧も音質も素晴らしいの一言に尽きます。誰もが知る大ヒット曲から当時あまりヒットしなかったマイナーな曲までを年代順に振り返るには最適かと思います。
リーフレットのラストにある1970年代の年表を見ていますと、これだけの素晴らしい曲を次から次へとリリースしたものだとあらためて感心しました。
当時は、関西から発生したフォーク全盛の頃で、その中にあってビートルズサウンドを彷彿とするJ-POPの先駆けのグループだと感じました。大ヒットした「心の旅」の曲の持っている印象がそうさせたのでしたが。
でも34曲を通して聴くと、紛れもなく偉大なる財津和夫の若い感性から生まれた上質のポップスだとあらためて思いました。メロディ・メイカーとして抜群の才能を誇った彼の音楽は今でも聞き惚れてしまいますね。作詞・作曲・ヴォーカルと持てる才能を全て出しきった青春の輝きが詰まっているまさしく「若き日のベスト・アルバム」です。
当時はとても斬新だったバロック調のコード進行を持った「青春の影」できく財津の高音は、憂いを帯び、細く切なく胸に飛び込んできます。後にテレビの主題歌に使用された「サボテンの花」に歌われた短篇映画のような情景はまさしく青春の姿だと思います。「ぼくがつくった愛のうた」は、今の年代に聴くとその曲の良さを再認識しますね。
ラストの「心の旅 2006」を聴いて、あれから34年経ったのだなあ、と感慨にふけりました。声も雰囲気も当時のままです。エヴー・グリーンの輝きに包まれています。
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