ウィントン・マルサリスや小曽根真との共演でも知られるジャズベーシスト、中村健吾の7枚目のリーダーアルバム。 パーソネルは中村健吾(b)のほか、リチャード・ジョンソン(p)、ウィリー・ジョーンズ3世(ds)、マーカス・プリンタップ(tp)、 マーク・グロス(as)、 ステイシー・ディラード(ts, ss)と、ニューヨークの腕利きミュージシャンをそろえた布陣です。 「月の砂漠」のグルーヴィーな演奏から始まり、ミンガス、エリントン、モンクらの名曲にオリジナル曲を交えつつ楽しげなセッションを展開、「見上げてごらん夜の星を」を経て、オリジナル曲「ララバイ」で締めくくります。 この終曲、味のあるメロディが見事。アルバムの締めくくりにふさわしい、詩情あふれる名曲です。
DVDの存在を知った瞬間に速攻で購入しました(笑)。 戦前戦中のイギリスに舞台を移しての「リチャード三世」の映画化です。
もう冒頭のリチャードの登場から笑撃です。 戦車、映画、ナチなんでもありの世界(当然リチャードは某独裁者w)。 原作を知っている人、WW2に造詣の深い方は十分に笑い楽しめます。 台詞の重厚さと場面のアレンジのタイミングは絶妙で 制作側は大真面目に作られたんでしょうが、 絶妙なコメディタッチになっています。 しかしリチャードの不具者の哀しみトラウマもしっかり描いています。 イアン・マッケラン氏が複雑怪奇でコミカルなリチャードを熱演しています。 これは見て絶対損はありません!!
シェイクスピア作品は戯曲の古典として今でも上演されるが、内容は知っているが、実際に作品を読んだことのある人は案外少ないのではないか。この「リチャード三世」は悪人が主役という点で特異な作品なのだが、あらゆる手段を使って国王を目指すという、人生の目的がはっきりしている点で、ある意味小気味いい。念願の国王につくが、あっという間に死んでしまうのも憎みきれない(実際の史実でも治世はわずか2年間)。 「お坊様」とか「お勤め」のような、仏教を連想させる言葉が出てくるところは抵抗があったが、実質リチャード三世の一人芝居であるせりふは概してスピード感があってよかった。
悪党中の悪党と評されることもあるリチャード三世。
醜く残酷・・・という感じがしますが、
本当は皆から愛されたかった、
母から愛されて、普通の人と同じように世の中を楽しみたかった・・・
そんな普遍的な願いを叶えるために
王権を狙い、たくさんの人を殺したリチャード。
自分の野望をかなえるために
ここまで悪事を働けるリチャードに
賛辞さえ送りたくなります。
そして、卓越した演技力と
ウィットにとんだ会話が印象的です。
悪党だけど、人間臭さがあふれてて魅力的な人物です!
四大悲劇を読んでみたけどどうもピンとこなかったという人や、シェイクスピア初心者にもおすすめできる「悲劇」。(一般には歴史劇に分類されますが、原題がThe tragedy of ~となってるように内容は典型的な悲劇) プランタジネット朝最後の王リチャード三世を主人公にしたこの劇は、『ヘンリー六世三部作』の歴史的経過を前提にしているので、実は結構フクザツな背景があり正直ややこしいです。 けれど率直に言って歴史的背景を知らなくても十分すぎるくらい楽しめる作品。 なんといっても、見た目はブサイク腹の中は真っ黒なリチャードのスマートな悪党ぶりと人間臭い魅力が『リチャード三世』の醍醐味。複雑な背景にも関わらず、とてもわかりやすくて共感しやすい「人間悲劇」として楽しめる仕掛けになっていると思います。 とはいえ、歴史的背景が全然わからないと、「この人たちどうして敵対してるの?」とか「やたら出しゃばるこの婆さんは何者だ」とかスッキリしない思いをしてしまうところなんですが、その点ちくま文庫のシェイクスピア全集は、全ページの下部に注釈覧があるので、最低限必要な情報はその場で確認できて便利。個人的にはちょっと親切設計すぎてたまに「ありがた迷惑」に感じるところもありますが。 そして松岡和子さんの翻訳がナチュラルで親しみやすく、でもきちんと重みもある日本語になっていてすごくいい。シェイクスピアの日本語訳は世に何十とありますが、彼女の翻訳は一読の価値あり。
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