政治家・企業人・スポーツ選手・タレント・・・等による、いずれ有名な「問題発言」集。それを言ってしまったがために、あるものは辞さずを得なくなり、あるものは一定期間表舞台から消え、そしてあるものは弁明・陳謝せざるを得なかった「発言」をまとめ、当時の状況やその後の顛末が簡潔に記されており、「そんなこともあったなあ」と思い出すと同時に「発した言葉には言霊が宿る」という再認識と「発言の怖さ」を改めて教えてくれる「注意書」でもあろうかと思われる、なかなかユーモラスな作品だ。これらの発言は確かに「問題」になってしまうのではあるが、実は発言者の「本音」であることがほとんどであろうし、また「核心を突いている」場合も多数あるのだと思うが、やはり その影響を考えるに、あまりにもむき出しの発言は時に恐ろしいものであると再確認した次第である。また、その発言が、ほんの少しの言い換えやオブラートに包むことが出来たなら大分状況も変わっていただろうなとも感じられた。また、もうひとつには「マスコミの存在とその怖さ」も感じられる。テレビや会見などではなく、いわば「オフレコ」として語った、言わば単なる「失言」に尾ヒレがつき、立派な「問題発言」として世に出てしまうという場合などは、やはりそれが顕著だ。特に「報道」という名のもとに正義感を振りかざして追い詰めるだけ追い詰めるようなやり方には「発言者」に同情を禁じ得ないというか「報道の仕方ひとつ」で、それが問題にもなれば、何の話題にもならなかったりするという、いわば「情報操作」的な怖さを孕んでいるということも、改めて意識させられたように感じた。いにしえよりつい先日までの問題発言を集めた・・・というだけの作品ではあるが、実はそこから驚く程多くの事が見えてきて、そして考えさせられ、なかなかに奥が深く、実は歴史(現代史)の勉強にもなろうかといえるほど充実した、いろんな意味で興味深い一冊である。
問題発言をマスコミ報道されるたびに思うことは、やはり背景。 うっかり言ってしまった失言は少なく問題になるとわかっていて発言したものが多いような気がする。 この本を読んでそう思った。 それが感じ取れるのは著者がひとつひとつの問題発言に対してその背景を怠ることなく追求しているからである。 年代によって問題と取上げられる内容が変わってきていているのも面白く読める。
著者の深い探究心に感服!
1の方に書き忘れたことがありました。せっかくなので2の方に書きます。 このシリーズ、問題の質も解説の質も申し分なく感じています。分冊になっているのも、使いやすいと思います。ただ・・・
CDが3枚に別れている意味はあまり感じないな、と思いました。 いずれにせよiTunesとかに取り込んで使うし。
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