著者が言っている『世の中は「困っている人」と「困っていない人」の2種類の人がいるのではなくて、「困っている人」と「いずれ困るかもしれない人」の2種類がいるにすぎない。』という考え方を、多くの日本人ができれば、今現時点で「困っている人」に対して、もっと普通に社会的なケア行おうとするだろうと思う。
現在社会は、どこまでも、自分たちは「困っていない側」の人間であったり、そうあるために他者を蹴落としてでもしがみつこうとしているように思える。弱い者は「心が弱い」と片付けられ、自分自身ができるだけ「困っていない側」にいるためには、弱い者たたきを繰りかえす。 弱い者たたきや悪者探しを続けても、今の状況が何か良くなることはなく、ただ一時的な現実逃避による自己満足が残るだけだ。
著者が提唱している「ポジ出し」(自分自身ができるポジティブな提案)は、数年前からいろいろな人たちの話を積極的に聞きにいくようになり(湯浅誠、重松清、渡辺えり、乙武 洋匡 ・・・・・)、それを文章化し、ネットや身近な職場などで発信してきた私にとっては、大いに納得でき、きっとこれからもほんの小さなポジ出しだけれどやっていきたいと思っている。また、自分自身の職業を考える時、これからの社会を形成していく本当に若い世代にストレートにメッセージを伝えることができるのだから、その使命としてもやっていくべきだと考えている。
しかしながら、全ての同業者の皆さんがそのような考えでいるかというとはなはだ疑問で、例えば先日地元であった乙武 洋匡さんの講演会は、12月初旬の仕事が忙しい時期であったということを差っ引いても、現役の同業者をほとんど見かけることはなく、参加者の主流は、定年退職後世代だった。いちばん「ポジ出し」をすることが可能な職業にいても、実際は世の中に「ダメ出し」をする気力さえも残っていない人が多く、今日の朝刊を読むと2011年度に心の病で休職している教職員は全国で52000人以上いる。
「ポジ出し」する前に「困っている人」になっているとも言えるし、もしかすると、「困っている側」に自分たちがなっていることも気づかず、気づかされずにいるとも言える。また、反対に20代から40代ぐらいの同業者の世代には、自分たちは努力によって今の自分の地位を得ていて、社会的弱者と言われている人たちや、50代で心の病を発症する人たちを「努力が足りない弱い人」と切り捨てている人たちも多い。
著者が提唱する「ポジ出し」を、この国の中で少しずつじわじわとでもいいから広めていくのは、この職業にいてもかなり難しいことだと感じる。けれども、劇的に何かが変わっていくことを期待することはもうやめようと思う。本当に岩と岩の間からわき水が染み出てくるように、それがいつかは大河の大きな流れになるように、諦めずに私ができることがあると信じている。
聴いてみてください。鳥肌立ちますよ。この人の可能性は無限です。
この本で流体軸受の基礎がしっかりと学べた。特にジャーナル軸受、スラスト軸受の圧力や流量の導出は、途中の式の展開まで細かく記載されており、理解するにはうってつけである。本書は流体軸受の平衡状態について非常に詳しく、理解しやすかった。非平衡状態について詳しく解説した書も是非出版願いたい。
チームラボの猪子寿之氏関連で購入。にわかです。
ぱらぱらと読んだ感想として。 ・男性視点からは澁谷知美氏の主張を聞いていると過剰な被差別意識があるのでは、と思ってしまう。「男女」という表現を無理やり「女男」と記載するような、そんな違和感を感じてしまう。
・子育て環境というテーマが討論された部分で、現在の核家族共働きに社会のインフラが追いついていない、という話があった。村社会、大家族、核家族・・・共同体の形態は絶対的なものではなく、流動的なものであるから、今までにない第3の形態を想像するのも悪くないのでは。そういった点でも、猪子寿之氏は「捉われて」いない人間で、心地よかった。
神谷浩史さん、宮田幸季さん、森川智之さん、中原麻衣さんといった豪華なキャストで安心して聞けました。それぞれのキャラのイメージに声が合っていると思います。「月は闇夜に隠るが如く」のマンガを片手に聞くと一層この話の世界に浸れるのではないでしょうか。個人的には、声優さんの座談会が面白かったので文句なしの星5つで。
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