ケーブルTVでケヴィンシールズの「City Girl」のPVを見た時から結構気になってて、だけどなかなか買うきっかけも無くて、そんな訳で先日こちらで注文させて頂いてようやくちゃんと音を聴く事が出来ました。 難しい事はともかく、ぼくはサントラってゆうのはなんとなく微妙な感じに思えたりするのですがこれは良かったです。 映画自体観た事が無いけど、曲の流れも良いと思うしアーティストはばらばらだけど一枚のアルバムとして聴ける様な気がします。 それと、個人的な事でいえばデスインヴェガスの曲を気になりつつもまだ聴いた事が無かったのですが、これに入っている「Girls」を聴いてアルバムも聴いてみようかなって思いました。
ジェリーフィッシュの登場と解散のあと、アンディ・スターマーのマイペースぶりとは対照的にロジャーは積極的にメジャー・フィールドで活躍を続けてきた。個人的にはインペリアル・ドラッグのデビューは興奮モノであった。
が、遂に満を持して登場した本作を前にしてみると、インペリアル・ドラッグは彼の個性の本の一部でしかなく、あくまでも「狙って」作った音楽性だったということがわかる。それほどに、本作での音楽性は多彩で豊潤。正にソロ・デビュー作の名に相応しい大傑作だ。
ジャケットの意匠からして、トッド・ラングレンの「魔術師は真実のスター」のモノクロ版のような、期待感を大いに高めてくれる優れもの。
音楽性は、ロジャー一人の多重録音で、良い意味でアナログチックな質感を残した宅録サウンドに、彼ならではの、ひねくれたポップメロディ、ドリーミーなアレンジが11曲に横溢する。ソロアルバムということで、疾走感や衝撃度は差ほどでもないが、トリップ感、埋没感は凄いものがある。
オープニングから6分を超える大作で、ドリーミーな煌びやかさとアコギによる繊細なメロディが反復する様は多彩なロジャーの名刺代わりの一発。その他エッジの聴いた「The Loser」、正統派ポップス「What You Don't Know About The Girl」、そして後半のメロウで静謐なTrk9〜11の流れ、あたりが個人的には大好きだ。
夢でもいいので、もう1度、アンディと手を組む事は出来ないのだろうか。そんな事を思わずにはいられない罪作りな面もあるが、とにかく大傑作。こんな素晴らしい作品を聴けるなんて、素敵じゃないか! そう声を大にして言いたい。
彼のファンなら文句なしの出来だし、ポップ・ファンにもおすすめ。10ccの『ラバー・ブレッツ』みたいなノリノリのTr.3や、ゾンビーズの『She's Not There』を思わせるオシャレでキュートなTr.5は背景が見え隠れする。日本版のボーナス曲はフランス・ギャルに歌って欲しいくらいイエイエな傑作。海外版は代わりにライブが入ってます(ファン泣かせだなあ)。新しいことの始まる春に聞くと、心もわくわくします。良い想い出が盤に焼きつくんだろうなあ。
|